競技数学の解答は、思いついた天才的な一手だけでできているわけではありません。実験、特殊化、構造の命名、方針選択、完全解答、検算を分けて進めます。
1 1. 問題を再記述する
何が固定され、何を選び、何を示すのかを書き直します。整数か実数か、点が線分内部か延長上か、確率の独立性があるかを最初に固定します。
2 2. 小さい例と極端な例
小さい数、対称な配置、境界、最大・最小の場合を試します。これは予想のためであり、証明ではありません。例外が見つかったら条件を読み直し、予想を修正します。
3 3. 表現を変える
- 整数の式:合同式、因数、素因数の指数。
- 配置問題:グラフ、彩色、順序、極端な対象。
- 幾何:角、相似、円、面積、複比。
- 確率:指示変数、期待値、補集合。
- 関数方程式:特別な代入、単射、全射、合成。
4 4. 証明を検算する
新しい対象を作ったら、条件を満たすか、正の範囲にあるか、元より小さいかを確認します。図で見えること、数値実験で成り立つこと、定理として証明したことを区別します。
5 例:不可能性問題
整数方程式なら、まず小さい法で不可能な余りを探し、それで足りなければ最小反例を選びます。配置なら、面積や個数だけでなく、彩色や次数の不変量を探します。幾何なら、点の位置を固定し、外角を含む場合の角の向きを明示します。
6 解答の型
- 方針を一文で述べる。
- 必要な補題を先に証明する。
- 主張へ適用する。
- 等号・境界・例外を確認する。
- 別解があれば、どの構造を見ているか比較する。
7 演習
- 一つの問題について、数値実験から予想を作り、その予想を証明する答案を書け。
- 自分の誤答を一つ選び、最初に条件を破った行を特定せよ。
- 整数論・幾何・組合せの各問題について、最初に試す表現変換を一つずつ挙げよ。