§B2.13高次導関数と曲線の凹凸

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第2次導関数は導関数の増減を表し、曲線の凹凸を判定するために用います。以下の判定は、対象の開区間で2回微分可能であることを仮定します。

定義 1 (高次導関数と変曲点).f′f'が微分可能なとき、その導関数をf′′f''と書き、第2次導関数という。ある点aaの前後で曲線の凹凸が変わるとき、グラフ上の点(a,f(a))(a,f(a))を変曲点という。

定理 2 (第2次導関数による凹凸判定). 開区間II上で2回微分可能な関数ffについて、f′′(x)>0f''(x)>0がIIのすべての点で成り立つならばグラフはII上で下に凸である。f′′(x)<0f''(x)<0ならば上に凸である。したがって、変曲点を判定するにはf′′f''の符号が候補点の前後で実際に変わることを確認する必要がある。

注意 3 (凹凸判定の根拠).定理 2は、f′′f''の符号からf′f'の狭義単調性を得る微分の定義と平均値の定理 の§D1.14 系 4.2に基づきます。本記事ではこの結果を用います。導関数が00となる点を許す広義単調性については、同記事の§D1.14 定理 3.1を直接用います。

例 4 (f′′(a)=0f''(a)=0だけでは変曲点でない).f(x)=x4f(x)=x^4ではf′′(x)=12x2f''(x)=12x^2であり、f′′(0)=0f''(0)=0です。しかしx≠0x\ne0では常にf′′(x)>0f''(x)>0であり、凹凸は変わりません。したがって(0,0)(0,0)は変曲点ではありません。

例 5 (増減と凹凸を一つの表にまとめる).f(x)=x3−3xf(x)=x^3-3xとする。f′(x)=3(x−1)(x+1)f'(x)=3(x-1)(x+1)、f′′(x)=6xf''(x)=6xです。

区間 (−∞,−1)(-\infty,-1) (−1,0)(-1,0) (0,1)(0,1) (1,∞)(1,\infty)
f′f'の符号 ++ −- −- ++
ffの増減 増加 減少 減少 増加
f′′f''の符号 −- −- ++ ++
凹凸 上に凸 上に凸 下に凸 下に凸

よって(−1,2)(-1,2)は極大点、(1,−2)(1,-2)は極小点、(0,0)(0,0)は変曲点です。増減と凹凸を同じ区切りで並べると、グラフの概形を一貫して判断できます。

1 微分を用いる不等式の証明

定理 1.1 (増減から得る不等式). 区間II上で微分可能な関数FFがF′(x)≥0F'(x)\ge0を満たし、a∈Ia\in IでF(a)=0F(a)=0ならば、x≥ax\ge aとなるIIの各xxについてF(x)≥0F(x)\ge0である。

証明.a<xa<xとします。平均値の定理(§D1.14 定理 3.1)により、あるc∈(a,x)c\in(a,x)が存在して

F(x)−F(a)=F′(c)(x−a)F(x)-F(a)=F'(c)(x-a)

となります。F′(c)≥0F'(c)\ge0かつx−a>0x-a>0ですからF(x)−F(a)≥0F(x)-F(a)\ge0です。x=ax=aの場合はF(x)=F(a)=0F(x)=F(a)=0なので、いずれの場合もF(x)≥0F(x)\ge0です。▨

例 1.2 (指数関数を含まない不等式).x≥0x\ge0についてx3+1≥x2+xx^3+1\ge x^2+xを示します。F(x)=x3−x2−x+1F(x)=x^3-x^2-x+1とおくと、

F′(x)=3x2−2x−1=(3x+1)(x−1)F'(x)=3x^2-2x-1=(3x+1)(x-1)

です。0≤x≤10\le x\le1ではF′(x)≤0F'(x)\le0なので、平均値の定理によりFFは[0,1][0,1]で広義単調減少です。したがってF(x)≥F(1)=0F(x)\ge F(1)=0です。x≥1x\ge1ではF′(x)≥0F'(x)\ge0なので、FFは[1,∞)[1,\infty)で広義単調増加であり、やはりF(x)≥F(1)=0F(x)\ge F(1)=0です。よって、すべてのx≥0x\ge0についてx3+1≥x2+xx^3+1\ge x^2+xです。

なお、F(x)=(x−1)2(x+1)F(x)=(x-1)^2(x+1)と因数分解しても同じ結論を直接確かめることができます。

2 演習

  1. f(x)=x3−3xf(x)=x^3-3xについて、増減と凹凸を一つの表にまとめ、極値と変曲点を求めなさい。
  2. x4x^4のx=0x=0が変曲点でないことを、第2次導関数の符号で説明しなさい。
  3. F(x)=x2−2x+1F(x)=x^2-2x+1がすべての実数xxについて00以上であることを、F′F'と最小値を用いて示しなさい。

証明 (演習の要点). 1 は例 5と同じ符号表を作る。2 は12x212x^2が00の前後で負にならないことを示す。3 はF′(x)=2x−2F'(x)=2x-2であり、x=1x=1で最小値F(1)=0F(1)=0をとることを用いる。▨

例題

条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。

次の関数について f″(x) を求め、グラフの凹凸(下に凸・上に凸となる x の範囲)と変曲点の座標を答えよ。

解法の型f″ > 0 で下に凸、f″ < 0 で上に凸。f″ == 0 かつその前後で符号が変わる点が変曲点

  1. 例題 1

    f(x)=x4−6x2−2x+3f(x) = x^{4}-6x^{2}-2x+3
  2. 例題 2

    f(x)=−x3+3x2−3f(x) = -x^{3}+3x^{2}-3
  3. 例題 3

    f(x)=−x3−6x2+3xf(x) = -x^{3}-6x^{2}+3x
  4. 例題 4

    f(x)=−2x3−6x2−xf(x) = -2x^{3}-6x^{2}-x
  5. 例題 5

    f(x)=x4−4x3−x+3f(x) = x^{4}-4x^{3}-x+3
  6. 例題 6

    f(x)=2x3+6x2−3x+3f(x) = 2x^{3}+6x^{2}-3x+3
  7. 例題 7

    f(x)=−2x3+12x2+x+1f(x) = -2x^{3}+12x^{2}+x+1
  8. 例題 8

    f(x)=x3+3x2+x+2f(x) = x^{3}+3x^{2}+x+2
  9. 例題 9

    f(x)=x4−4x3+3x+2f(x) = x^{4}-4x^{3}+3x+2
  10. 例題 10

    f(x)=x4−4x3+x−1f(x) = x^{4}-4x^{3}+x-1

演習

問題を解いてから「解答・解説」を開けます。

次の関数について f″(x) を求め、グラフの凹凸(下に凸・上に凸となる x の範囲)と変曲点の座標を答えよ。

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