§A2.9平面・空間ベクトルの演算と成分表示

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ここではR2\mathbb R^2またはR3\mathbb R^3のベクトルとは、大きさと向きを合わせ持つ量のことです。 位置は問わず、「どちらへ、どれだけ」だけを表します。矢印で描き、平行移動しても同じベクトルです。これに対し、大きさだけの量(長さ・質量など)をスカラーと呼びます。

1 和・差・実数倍

  • 和a⃗+b⃗\vec{a} + \vec{b}:a⃗\vec{a}の終点にb⃗\vec{b}の始点をつなぐ(または平行四辺形の対角線)。
  • 実数倍ka⃗k\vec{a}:k>0k>0なら向きはそのまま、k<0k<0なら逆向き、k=0k=0なら零ベクトルとなり向きは定まりません。大きさは∣k∣|k|倍。
  • 差a⃗−b⃗=a⃗+(−b⃗)\vec{a} - \vec{b} = \vec{a} + (-\vec{b})。

下の図でb⃗\vec{b}の先端をドラッグしてください。和a⃗+b⃗\vec{a}+\vec{b}が平行四辺形の対角線になることが見えます。

2 成分表示:計算に載せる

ベクトルを座標軸方向の成分で書くと、演算がただの数値計算になります。平面ならa⃗=(a1,a2)\vec{a} = (a_1, a_2)、空間ならa⃗=(a1,a2,a3)\vec{a} = (a_1, a_2, a_3)。

a⃗+b⃗=(a1+b1, a2+b2),ka⃗=(ka1, ka2)\vec{a} + \vec{b} = (a_1 + b_1,\ a_2 + b_2), \qquad k\vec{a} = (k a_1,\ k a_2)

大きさ(長さ)は三平方の定理で∣a⃗∣=a12+a22|\vec{a}| = \sqrt{a_1^2 + a_2^2}(空間なら 3成分の平方和の平方根)。ベクトルの図形的な操作が、成分では成分ごとの計算になる——これがベクトルを座標に載せる利点です。

例題

条件と何を求めるかを確認してから、式と答えの対応を見比べてください。

実ベクトル a⃗,b⃗∈R2\vec a,\vec b\in\mathbb R^2 が次で与えられるとき、指定されたベクトルを成分で表せ。

解法の型成分ごとに計算する

  1. (1)a⃗=(−4,−4), b⃗=(0,2) のとき2a⃗+3b⃗\vec{a} = (-4, -4),\ \vec{b} = (0, 2)\ \text{のとき}\quad 2\vec{a} +3\vec{b}
  2. (2)a⃗=(−3,−3), b⃗=(−3,−3) のとき−a⃗−2b⃗\vec{a} = (-3, -3),\ \vec{b} = (-3, -3)\ \text{のとき}\quad -\vec{a} -2\vec{b}
  3. (3)a⃗=(4,−2), b⃗=(1,−4) のとき−a⃗+3b⃗\vec{a} = (4, -2),\ \vec{b} = (1, -4)\ \text{のとき}\quad -\vec{a} +3\vec{b}
  4. (4)a⃗=(−3,1), b⃗=(4,−2) のとき−a⃗−2b⃗\vec{a} = (-3, 1),\ \vec{b} = (4, -2)\ \text{のとき}\quad -\vec{a} -2\vec{b}
  5. (5)a⃗=(−2,−3), b⃗=(0,−4) のとき2a⃗+b⃗\vec{a} = (-2, -3),\ \vec{b} = (0, -4)\ \text{のとき}\quad 2\vec{a} +\vec{b}
  6. (6)a⃗=(−4,0), b⃗=(−3,−2) のとき3a⃗−2b⃗\vec{a} = (-4, 0),\ \vec{b} = (-3, -2)\ \text{のとき}\quad 3\vec{a} -2\vec{b}
  7. (7)a⃗=(4,−1), b⃗=(1,4) のとき3a⃗−2b⃗\vec{a} = (4, -1),\ \vec{b} = (1, 4)\ \text{のとき}\quad 3\vec{a} -2\vec{b}
  8. (8)a⃗=(2,−4), b⃗=(3,−3) のとき2a⃗+b⃗\vec{a} = (2, -4),\ \vec{b} = (3, -3)\ \text{のとき}\quad 2\vec{a} +\vec{b}
  9. (9)a⃗=(1,1), b⃗=(−3,−3) のとき−a⃗+b⃗\vec{a} = (1, 1),\ \vec{b} = (-3, -3)\ \text{のとき}\quad -\vec{a} +\vec{b}
  10. (10)a⃗=(1,3), b⃗=(3,−4) のとき2a⃗+b⃗\vec{a} = (1, 3),\ \vec{b} = (3, -4)\ \text{のとき}\quad 2\vec{a} +\vec{b}

演習

問題を解いてから「解答・解説」を開けます。

実ベクトル a⃗,b⃗∈R2\vec a,\vec b\in\mathbb R^2 が次で与えられるとき、指定されたベクトルを成分で表せ。

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