§E7.31Fitting 部分群

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有限群の正規冪零部分群をすべて一つに集めると、再び冪零部分群が得られる。この事実は、冪零部分群を単に集めるだけでは成り立たず、各部分群が全体の群で正規であることを必要とする。本記事では、最初に二つの正規冪零部分群の積を調べ、その結果を有限回反復した後で Fitting 部分群を定義する。

有限可解群では、Fitting 部分群は非自明な正規部分群を必ず含み、Fitting 部分群を点ごとに中心化する元も Fitting 部分群に属する。後者の自己中心化性は、有限可解群の構造を調べる際に Fitting 部分群を中心的な道具とする理由の一つである。

1 用いる先行結果

証明で用いる先行結果の仮定と結論を記録する。

注意 1.1 (用いる先行結果). 本記事は、次の結果を用いる。

  1. 元の中心化群は部分群であり、群の中心は全元の中心化群の共通部分である(§E7.12 命題 1.3)。
  2. 有限群が冪零であることと、すべての Sylow 部分群が正規であることは同値である。このとき群は Sylow 部分群の内部直積になる(§E7.22 定理 4.1)。
  3. 有限群には Sylowpp部分群が存在する(§E7.17 定理 1.2)。任意のpp部分群は、ある Sylowpp部分群に含まれ、任意の二つの Sylowpp部分群は共役である(§E7.17 定理 2.1)。
  4. H≤GH\le GとN⊴GN\trianglelefteq Gに対し、HNHNは部分群であり、H/(H∩N)≅HN/NH/(H\cap N)\cong HN/Nである。とくに群が有限ならば∣HN∣=∣H∣∣N∣/∣H∩N∣|HN|=|H||N|/|H\cap N|となる(§E7.8 定理 2.1)。
  5. 可解群の部分群と商群は可解であり、正規部分群と対応する商群がともに可解ならば元の群も可解である(§E7.21 定理 3.2)。
  6. 非自明な有限可解群の極小な非自明正規部分群は、ある素数ppに対する初等アーベルpp群である(§E7.30 補題 2.1)。

記事末の例では、Lagrange の定理(§E7.6 定理 2.1)とA5A_5の単純性(§E7.19 定理 4.1)も用いる。

2 正規冪零部分群の積

証明方針は次のとおりである。各素数ppに対し、MMとNNの Sylowpp部分群をMpM_pとNpN_pと書く。冪零性により、MpM_pとNpN_pはそれぞれの群で唯一の Sylow 部分群である。したがってMpM_pとNpN_pはGGの正規部分群である。積MpNpM_pN_pの位数が∣MN∣|MN|を割る最大のppの冪であることを示し、MNMNのすべての Sylow 部分群が正規であることへ帰着する。

定理 2.1 (Fitting の積定理).GGを有限群とし、M,N⊴GM,N\trianglelefteq Gを冪零部分群とする。このときMN⊴GMN\trianglelefteq Gであり、MNMNは冪零群である。

証明.M,N⊴GM,N\trianglelefteq GなのでMNMNはGGの正規部分群である。

ppを任意の素数とする。ppが群の位数を割らない場合には自明部分群を Sylowpp部分群とみなし、MMとNNの Sylowpp部分群をそれぞれMpM_pとNpN_pと書く。§E7.22 定理 4.1により、Mp⊴MM_p\trianglelefteq Mである。§E7.17 定理 2.1により Sylowpp部分群はすべて共役なので、MpM_pはMMの唯一の Sylowpp部分群である。MMの任意の自己同型は Sylowpp部分群を Sylowpp部分群へ移すため、MpM_pはMMの特性部分群である。M⊴GM\trianglelefteq GからMp⊴GM_p\trianglelefteq Gが従う。NpN_pについても、Np⊴NN_p\trianglelefteq Nと Sylowpp部分群の共役性からNpN_pはNNの唯一の Sylowpp部分群であり、NNの特性部分群である。N⊴GN\trianglelefteq GなのでNp⊴GN_p\trianglelefteq Gとなる。

したがってPp=MpNpP_p=M_pN_pはGGの正規部分群である。また

∣Pp∣=∣Mp∣∣Np∣∣Mp∩Np∣|P_p|=\frac{|M_p||N_p|}{|M_p\cap N_p|}

はppの冪なので、PpP_pはMNMNのpp部分群である。

正整数aaを割る最大のppの冪をapa_pと書く。とくに、有限群XXに対して∣X∣p|X|_pは∣X∣|X|を割る最大のppの冪である。M∩NM\cap Nの Sylowpp部分群RRを取る。RRはMMとNNのpp部分群なので、§E7.17 定理 2.1とMp,NpM_p,N_pの一意性により

R≤Mp∩NpR\le M_p\cap N_p

となる。一方、Mp∩NpM_p\cap N_pはM∩NM\cap Nのpp部分群である。RRの位数は∣M∩N∣|M\cap N|を割る最大のppの冪なので、上の包含と合わせて

Mp∩Np=R,∣Mp∩Np∣=∣M∩N∣pM_p\cap N_p=R,\qquad |M_p\cap N_p|=|M\cap N|_p

を得る。したがって

∣Pp∣=∣M∣p∣N∣p∣M∩N∣p=(∣M∣∣N∣∣M∩N∣)p=∣MN∣p.\begin{aligned} |P_p| &=\frac{|M|_p|N|_p}{|M\cap N|_p}\\ &=\left(\frac{|M||N|}{|M\cap N|}\right)_p =|MN|_p. \end{aligned}

ゆえにPpP_pはMNMNの Sylowpp部分群である。Pp⊴GP_p\trianglelefteq Gなので、とくにPp⊴MNP_p\trianglelefteq MNである。任意の素数ppについてMNMNの Sylowpp部分群が正規であるから、§E7.22 定理 4.1によりMNMNは冪零群である。▨

正規性を仮定しなければ、二つの冪零部分群の積は部分群になるとは限らない。

例 2.2 (正規性を外した場合).G=S3G=S_3とし、

H=⟨(1 2)⟩,K=⟨(2 3)⟩H=\langle(1\,2)\rangle,\qquad K=\langle(2\,3)\rangle

と置く。HHとKKは位数22の巡回群なので冪零である。しかし、集合としての積は

HK={e,(1 2),(2 3),(1 2 3)}HK=\{e,(1\,2),(2\,3),(1\,2\,3)\}

であり、4個の元をもつ。44は∣S3∣=6|S_3|=6を割らないため、§E7.6 定理 2.1によりHKHKは部分群でない。実際、HHとKKはS3S_3の正規部分群ではない。

3 Fitting 部分群

有限群には部分群が有限個しかないため、積定理を有限回適用することができる。

定義 3.1.GGを有限群とする。GGの正規冪零部分群全体の集合をN(G)\mathcal N(G)とし、

F(G)=∏N∈N(G)NF(G)=\prod_{N\in\mathcal N(G)}N

と定める。この部分群をGGの Fitting 部分群 (Fitting subgroup) という。自明部分群はN(G)\mathcal N(G)に属する。

定義に現れる積が正規冪零部分群であることは、定義ではなく次の定理の内容である。

証明方針は次のとおりである。有限性を用いて、GGの正規冪零部分群を有限個に列挙する。定理 2.1を有限回適用し、その積F(G)F(G)が正規冪零部分群であり、列挙した各部分群を含むことを示す。次に、GGの任意の自己同型が正規冪零部分群全体を置換することを確認する。最後に、その自己同型が積F(G)F(G)を保つことから特性部分群性を得る。

定理 3.2.GGを有限群とする。このときF(G)F(G)はGGの正規冪零部分群であり、すべての正規冪零部分群を含む。したがってF(G)F(G)は包含関係に関して最大の正規冪零部分群であり、しかもGGの特性部分群である。

証明.GGは有限群なのでN(G)\mathcal N(G)は有限集合である。その元をN1,…,NsN_1,\ldots,N_sとする。定理 2.1を繰り返し適用すると、

N1,N1N2,…,N1⋯Ns=F(G)N_1,\quad N_1N_2,\quad\ldots,\quad N_1\cdots N_s=F(G)

はすべてGGの正規冪零部分群である。定義から、任意のN∈N(G)N\in\mathcal N(G)はF(G)F(G)に含まれる。ゆえにF(G)F(G)は最大の正規冪零部分群である。

α∈Aut⁡(G)\alpha\in\operatorname{Aut}(G)とする。N⊴GN\trianglelefteq Gならばα(N)⊴G\alpha(N)\trianglelefteq Gである。また、同型写像は Sylow 部分群を Sylow 部分群へ移し、正規性を保つ。したがって§E7.22 定理 4.1により、NNが冪零ならばα(N)\alpha(N)も冪零である。ゆえにα\alphaはN(G)\mathcal N(G)をそれ自身へ全単射に移し、

α(F(G))=∏N∈N(G)α(N)=∏N∈N(G)N=F(G)\alpha(F(G)) =\prod_{N\in\mathcal N(G)}\alpha(N) =\prod_{N\in\mathcal N(G)}N =F(G)

を満たす。したがってF(G)F(G)はGGの特性部分群である。▨

4 有限可解群における自己中心化性

定義 4.1. 群GGと部分群H≤GH\le Gに対して

CG(H)={g∈G∣gh=hg がすべての h∈H について成り立つ}C_G(H)=\{g\in G\mid gh=hg\text{ がすべての }h\in H\text{ について成り立つ}\}

と定め、HHの中心化群 (centralizer of a subgroup) と呼ぶ。

命題 4.2. 群GGの任意の部分群H≤GH\leq Gに対して、CG(H)C_G(H)はGGの部分群である。

証明. 定義から

CG(H)=⋂h∈HCG(h)C_G(H)=\bigcap_{h\in H}C_G(h)

であり、§E7.12 命題 1.3により右辺の各集合は部分群である。部分群の共通部分は部分群であるから、CG(H)≤GC_G(H)\leq Gとなる。

▨

有限可解群では、極小正規部分群が Fitting 部分群の非自明な部分を与える。

命題 4.3.GGを非自明な有限可解群とする。このとき

F(G)≠{eG}.F(G)\ne\{e_G\}.

証明. 有限性により、GGは包含関係に関して極小な非自明正規部分群VVをもつ。§E7.30 補題 2.1により、ある素数ppに対してVVは初等アーベルpp群である。とくにVVはアーベル群なので、その上中心列は

{eG}≤V=Z(V)\{e_G\}\le V=Z(V)

でVVに達し、VVは冪零群である。V⊴GV\trianglelefteq Gと定理 3.2から

{eG}≠V≤F(G)\{e_G\}\ne V\le F(G)

を得る。▨

中心化群の定理に必要となる有限群の局所補題を先に証明する。

補題 4.4.LLを有限群、Z≤Z(L)Z\le Z(L)を部分群とする。ある素数ppに対してL/ZL/Zがpp群ならば、LLは冪零群である。

証明方針は次のとおりである。ZZのpp以外の Sylow 部分群を掛け合わせて、ZZのp′p'部分RRを作る。LLの Sylowpp部分群PPとRRの位数の積は∣L∣|L|になる。RRは中心に含まれるためL=PRL=PRからP⊴LP\trianglelefteq Lが従い、他の Sylow 部分群もRRに含まれて中心的になる。

証明.ZZはアーベル群である。q≠pq\ne pを∣Z∣|Z|の素因数とし、ZZの Sylowqq部分群をRqR_qと書く。ZZにおける共役は自明なので、§E7.17 定理 2.1によりRqR_qは一意である。異なるRqR_qは互いに可換し、位数が互いに素なので、

R=∏q∣∣Z∣q≠pRqR=\prod_{\substack{q\mid |Z|\\q\ne p}}R_q

はZZの位数のpp以外の素数冪をすべて含む部分群である。R≤Z(L)R\le Z(L)なのでR⊴LR\trianglelefteq Lである。

PPをLLの Sylowpp部分群とする。∣L/Z∣|L/Z|はppの冪なので、∣L∣|L|のpp以外の部分は∣R∣|R|に等しい。したがって

P∩R={eL},∣P∣∣R∣=∣L∣P\cap R=\{e_L\},\qquad |P||R|=|L|

である。R⊴LR\trianglelefteq LなのでPRPRは部分群であり、位数の等式からL=PRL=PRとなる。任意のx∈Lx\in Lをx=urx=ur(u∈P, r∈Ru\in P,\ r\in R)と書くと、R≤Z(L)R\le Z(L)から

xPx−1=uPu−1=PxPx^{-1}=uPu^{-1}=P

となる。ゆえにP⊴LP\trianglelefteq Lである。

q≠pq\ne pについて、RqR_qの位数は∣L∣|L|を割る最大のqqの冪なので、RqR_qはLLの Sylowqq部分群である。しかもRq≤Z(L)R_q\le Z(L)なのでRq⊴LR_q\trianglelefteq Lである。したがってLLのすべての Sylow 部分群は正規であり、§E7.22 定理 4.1によりLLは冪零群である。▨

証明方針は次のとおりである。C=CG(F(G))C=C_G(F(G))と置くと、C∩F(G)=Z(F(G))C\cap F(G)=Z(F(G))である。包含が成り立たないと仮定し、商群G/Z(F(G))G/Z(F(G))においてC/Z(F(G))C/Z(F(G))に含まれる極小な非自明正規部分群を取る。その部分群は初等アーベルpp群である。逆像はF(G)F(G)の中心によるpp群拡大なので冪零となり、F(G)F(G)の最大性と矛盾する。

定理 4.5.GGを非自明な有限可解群とする。このとき

CG(F(G))≤F(G).C_G(F(G))\le F(G).

証明.F=F(G)F=F(G)、C=CG(F)C=C_G(F)、Z=Z(F)Z=Z(F)と置く。定理 3.2によりFFはGGの特性部分群である。したがって

gCg−1=CG(gFg−1)=CG(F)=CgCg^{-1}=C_G(gFg^{-1})=C_G(F)=C

が任意のg∈Gg\in Gについて成り立ち、C⊴GC\trianglelefteq Gである。また、ZZはFFの特性部分群なのでZ⊴GZ\trianglelefteq Gであり、

C∩F=Z(1)C\cap F=Z \tag{1}

である。実際、C∩FC\cap FはFFのすべての元と可換するFFの元全体である。

C≰FC\not\le Fと仮定する。(1) によりC/ZC/ZはG/ZG/Zの非自明な正規部分群である。§E7.21 定理 3.2によりG/ZG/Zは有限可解群である。C/ZC/Zに含まれるG/ZG/Zの非自明な正規部分群のうち、包含関係に関して極小なものをL/ZL/Zとする。L/ZL/Zに含まれるG/ZG/Zの非自明な正規部分群はC/ZC/Zにも含まれ、選択時の極小性によりL/ZL/Z自身に一致する。したがってL/ZL/ZはG/ZG/Zの極小な非自明正規部分群である。§E7.30 補題 2.1をG/ZG/Zに適用すると、ある素数ppに対してL/ZL/Zは初等アーベルpp群である。

L/Z≤C/ZL/Z\le C/ZなのでL≤CL\le Cである。ゆえにLLのすべての元はFFを中心化する。とくにZ≤FZ\le Fから

Z≤Z(L)Z\le Z(L)

となる。補題 4.4によりLLは冪零群である。またL/Z⊴G/ZL/Z\trianglelefteq G/ZなのでL⊴GL\trianglelefteq Gである。したがって定理 3.2からL≤FL\le Fが従う。一方、L≤CL\le Cなので (1) からL≤C∩F=ZL\le C\cap F=Zとなる。包含L≤ZL\le ZはL/ZL/Zが非自明であることに反する。

したがってC≤FC\le Fである。▨

5 例と仮定の境界

S3S_3では Fitting 部分群を直接に決定することができる。

例 5.1 (S3S_3の Fitting 部分群).A3⊴S3A_3\trianglelefteq S_3は位数33の巡回群なので冪零であり、

A3≤F(S3)A_3\le F(S_3)

である。S3S_3の正規部分群が一つの互換を含めば、共役によって三つの互換をすべて含み、それらが生成するS3S_3全体に一致する。しかし、S3S_3の三つの Sylow22部分群は正規でないので、§E7.22 定理 4.1によりS3S_3は冪零でない。したがってS3S_3の任意の正規冪零部分群はA3A_3に含まれ、

F(S3)=A3F(S_3)=A_3

となる。S3S_3の元が(1 2 3)(1\,2\,3)と可換するならば、その元は11の像によって一意に定まり、11の像には1,2,31,2,3の三通りがある。三つの像に対応する元はe,(1 2 3),(1 3 2)e,(1\,2\,3),(1\,3\,2)なので、

CS3(F(S3))=A3=F(S3)C_{S_3}(F(S_3))=A_3=F(S_3)

である。

自己中心化性では、可解性を除くことができない。

例 5.2 (非可解群における境界).§E7.19 定理 4.1によりA5A_5の正規部分群は{e}\{e\}とA5A_5だけである。A5A_5が冪零ならば、§E7.22 定理 4.1により、その Sylow55部分群は正規になる。§E7.17 定理 1.2により Sylow55部分群は存在し、その位数は55であるから非自明な真の部分群である。非自明な真の正規部分群の存在はA5A_5の単純性に反する。したがってA5A_5は冪零でなく、

F(A5)={e}F(A_5)=\{e\}

である。よって

CA5(F(A5))=A5≰F(A5).C_{A_5}(F(A_5))=A_5\not\le F(A_5).

この例は、定理 4.5の可解性の仮定が必要であることを示す。

6 演習

問題 6.1.

  1. 定理 2.1の記号を用いる。Mp∩NpM_p\cap N_pがM∩NM\cap Nの Sylowpp部分群であることを示し、∣MpNp∣=∣MN∣p|M_pN_p|=|MN|_pを導け。
  2. 有限群GGのすべての正規冪零部分群の積が冪零であることを、有限個の部分群に対する帰納法として再構成せよ。また、自己同型がこの積を保つ理由を説明せよ。
  3. 補題 4.4で、L=PRL=PRからP⊴LP\trianglelefteq Lが従う箇所を証明せよ。その後、L/ZL/Zに含まれるG/ZG/Zの非自明な正規部分群だけを比較してL/ZL/Zの極小正規性を導き、この補題が定理 4.5の矛盾にどのように用いられるかを説明せよ。
  4. F(S3)F(S_3)とF(A5)F(A_5)を求め、それぞれの中心化群を計算せよ。二つの結果が可解性の仮定とどのように対応するかを述べよ。
解答 (演習の要点).

第1問では、M∩NM\cap Nの Sylowpp部分群をRRとすると、Sylow 部分群への包含とMp,NpM_p,N_pの一意性からR≤Mp∩NpR\le M_p\cap N_pを得る。逆向きの位数の不等式により両者は一致する。積の位数公式をMpNpM_pN_pとMNMNに適用すると、pp部分が一致する。

第2問では、有限群が有限個の部分群しかもたないことを用いて正規冪零部分群を列挙し、定理 2.1を一因子ずつ適用する。自己同型は正規性と冪零性を保つため、正規冪零部分群全体を置換する。

第3問では、x=ur∈PRx=ur\in PR(u∈P, r∈Ru\in P,\ r\in R)とR≤Z(L)R\le Z(L)からxPx−1=uPu−1=PxPx^{-1}=uPu^{-1}=Pを得る。L/ZL/Zに含まれるG/ZG/Zの非自明な正規部分群はC/ZC/Zにも含まれるので、C/ZC/Z内での選択時の極小性からL/ZL/Z自身に一致する。自己中心化性の証明では、L/Z(F(G))L/Z(F(G))がpp群であり、Z(F(G))≤Z(L)Z(F(G))\le Z(L)なのでLLが冪零となる。最大性からL≤F(G)L\le F(G)となることがL/Z(F(G))≠{e}L/Z(F(G))\ne\{e\}と矛盾する。

第4問ではF(S3)=A3F(S_3)=A_3かつCS3(A3)=A3C_{S_3}(A_3)=A_3である。A5A_5は単純で冪零でないためF(A5)={e}F(A_5)=\{e\}であり、その中心化群はA5A_5全体である。前者は可解群の定理と一致し、後者は可解性を外すと結論が成り立たないことを示す。▨

参考文献

  1. Derek J. S. Robinson, A Course in the Theory of Groups, 2nd ed., Graduate Texts in Mathematics, Springer, 1996.有限群の Fitting 部分群と、有限可解群における自己中心化性を参考にした。
  2. Hans Kurzweil and Bernd Stellmacher, The Theory of Finite Groups, Springer, New York, 2004.正規冪零部分群の積に関する Fitting の定理と有限可解群への適用を参考にした。

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