§E7.18有限アーベル群の基本定理

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有限アーベル群は、素数べき位数の巡回群を部品として完全に分類することができる。本稿ではアーベル群の演算を加法で書き、巡回群Z/nZ\mathbb{Z}/n\mathbb{Z}をCnC_nと略記する。一般の加群論は用いず、必要な算術補題と群論的な直和因子の抽出を本文中で証明する。

1 二つの標準形

定義 1.1. 有限アーベル群を

Cp1a1⊕⋯⊕CprarC_{p_1^{a_1}}\oplus\cdots\oplus C_{p_r^{a_r}}

のように素数べき位数の巡回群の直和として表したものを初等因子表示 (elementary divisor decomposition) という。各piaip_i^{a_i}を初等因子 (elementary divisor) と呼ぶ。

一方、1<d1∣d2∣⋯∣ds1<d_1\mid d_2\mid\cdots\mid d_sを満たす表示

Cd1⊕Cd2⊕⋯⊕CdsC_{d_1}\oplus C_{d_2}\oplus\cdots\oplus C_{d_s}

を単因子表示 (invariant factor decomposition) または不変因子表示 (invariant factor decomposition) といい、各did_iを単因子 (invariant factor) または不変因子 (invariant factor) と呼ぶ。

最初に、Bézout の等式と素因数分解に必要な算術を局所的に証明し、∣G∣|G|の各素因数ppについてpp-成分GpG_pを構成してGGをそれらの直和へ分解する。次に、有限アーベルpp群で最大位数の元aaを取り、⟨a⟩\langle a\rangle上の準同型を群全体へ延長して⟨a⟩\langle a\rangleを直和因子として抽出し、位数に関する帰納法で初等因子表示を得る。一意性はpk−1A/pkAp^{k-1}A/p^kAの位数から各初等因子の重複度を復元することによって示す。最後に、互いに素な巡回直因子をまとめる同型を用いて単因子表示を構成し、逆の素因数分解と組み合わせて二つの表示の一意性へ帰着する。

2 必要な算術補題

後の議論で用いる整数論の事実を確認する。

3 素数成分への分解

定義 3.1. 有限アーベル群GGと素数ppに対して

Gp={x∈G∣pax=0 となる整数 a≥0 が存在する}G_p=\{x\in G\mid p^a x=0\text{ となる整数 }a\geq 0\text{ が存在する}\}

とおき、GGの pp-成分 (p-primary component) と呼ぶ。

補題 3.2 (素数成分分解).GGを有限アーベル群とし、

∣G∣=∏i=1tpiei|G|=\prod_{i=1}^t p_i^{e_i}

を素因数分解とする。このとき各GpiG_{p_i}はGGの部分群であり、

G=Gp1⊕⋯⊕GptG=G_{p_1}\oplus\cdots\oplus G_{p_t}

が成り立つ。

証明.GGはアーベル群なので、ppのべきで零になる二元の和と逆元もppのべきで零になる。したがってGpG_pは部分群である。x∈Gpx\in G_pの位数はppのべきであり、§E7.6 定理 2.1によって∣G∣|G|を割る。したがって

Gpi={x∈G∣pieix=0}G_{p_i}=\{x\in G\mid p_i^{e_i}x=0\}

とも表される。また、ppと異なる素数qqが∣Gp∣|G_p|を割るならば、§E7.12 定理 6.1によってGpG_pは位数qqの元をもつことになり、その元がppのべきで零になることに反する。ゆえにGpG_pは有限アーベルpp群である。

N=∣G∣N=|G|、ni=N/piein_i=N/p_i^{e_i}とおく。gcd⁡(ni,piei)=1\gcd(n_i,p_i^{e_i})=1であるから、前節の Bézout の等式によって

uini≡1(modpiei)u_i n_i\equiv 1\pmod {p_i^{e_i}}

を満たす整数uiu_iが存在する。εi=uini\varepsilon_i=u_i n_iとおく。i≠ji\neq jならばpjej∣nip_j^{e_j}\mid n_iであるから

εi≡{1(modpiei),0(modpjej)\varepsilon_i\equiv \begin{cases} 1&\pmod {p_i^{e_i}},\\ 0&\pmod {p_j^{e_j}} \end{cases}

となる。したがって∑iεi−1\sum_i\varepsilon_i-1はすべてのpieip_i^{e_i}で割り切れる。整数pieip_i^{e_i}は互いに素であるから、§E6.27 補題 4.2 (3)よりN∣∑iεi−1N\mid \sum_i\varepsilon_i-1である。

任意のx∈Gx\in Gに対して

x=∑i=1tεixx=\sum_{i=1}^t\varepsilon_i x

であり、pieiεix=uiNx=0p_i^{e_i}\varepsilon_i x=u_iNx=0なのでεix∈Gpi\varepsilon_i x\in G_{p_i}である。ゆえにGGは各GpiG_{p_i}の和である。

この和が内部直和であることを示す。xi∈Gpix_i\in G_{p_i}が∑ixi=0\sum_i x_i=0を満たすとする。両辺にεj\varepsilon_jを掛ける。i≠ji\neq jならばpiei∣εjp_i^{e_i}\mid\varepsilon_jなのでεjxi=0\varepsilon_jx_i=0であり、εjxj=xj\varepsilon_jx_j=x_jである。したがってxj=0x_j=0となる。各jjについて同じ議論が成り立つので、和は直和である。

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4 アーベルpp群から巡回直和因子を抽出する

最大位数元が生成する部分群を直和因子として取り出すため、準同型の延長を群論だけで示す。

補題 4.1.ppを素数、n≥1n\geq1を整数とする。AAを有限アーベル群とし、その指数がpnp^nを割る、すなわち、すべてのa∈Aa\in Aがpna=0p^na=0を満たすと仮定する。任意の部分群H≤AH\leq Aと準同型

f ⁣:H⟶Cpnf\colon H\longrightarrow C_{p^n}

は、AAからCpnC_{p^n}への準同型に延長することができる。

証明. 指数[A:H][A:H]に関する帰納法を用いる。H=AH=Aならば、与えられた準同型f ⁣:H→Cpnf\colon H\to C_{p^n}自身がAA上の延長である。H≠AH\neq Aとする。任意のy+H∈A/Hy+H\in A/Hはpn(y+H)=Hp^n(y+H)=Hを満たすので、その位数はpnp^nを割り、ppの冪である。非零元y+Hy+Hを一つ取り、その位数をprp^rと書くと1≤r≤n1\leq r\leq nである。x=pr−1yx=p^{r-1}yとおけば、x∉Hx\notin Hかつpx∈Hpx\in Hである。

pnx=0p^nx=0であるからpn−1(px)=0p^{n-1}(px)=0であり、準同型性によってpn−1f(px)=0p^{n-1}f(px)=0である。CpnC_{p^n}においてpn−1p^{n-1}倍で零になる元はppの倍数である。したがってf(px)=pzf(px)=pzを満たすz∈Cpnz\in C_{p^n}が存在する。

H′=H+⟨x⟩H'=H+\langle x\rangle上で

f′(h+kx)=f(h)+kzf'(h+kx)=f(h)+kz

と定める。この定義が表示によらないことを確認する。h+kx=h′+k′xh+kx=h'+k'xならば(k−k′)x∈H(k-k')x\in Hである。x+Hx+Hの位数はppなのでk−k′=pℓk-k'=p\ellと表される。すると

f(h−h′)=f((k′−k)x)=−ℓf(px)=−pℓz=(k′−k)zf(h-h')=f((k'-k)x)=-\ell f(px)=-p\ell z=(k'-k)z

であり、f(h)+kz=f(h′)+k′zf(h)+kz=f(h')+k'zが従う。よってf′f'は整定義されている。h1,h2∈Hh_1,h_2\in Hと整数k1,k2k_1,k_2に対して

f′((h1+k1x)+(h2+k2x))=f(h1+h2)+(k1+k2)z=f′(h1+k1x)+f′(h2+k2x)\begin{aligned} f'\bigl((h_1+k_1x)+(h_2+k_2x)\bigr) &=f(h_1+h_2)+(k_1+k_2)z\\ &=f'(h_1+k_1x)+f'(h_2+k_2x) \end{aligned}

が成り立ち、f′(h)=f(h)f'(h)=f(h)である。したがってf′f'は準同型であり、ffを延長する。

HHはH′H'の真部分群なので[A:H′]<[A:H][A:H']<[A:H]である。帰納法によってf′f'はAA全体へ延長する。

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補題 4.2. 有限アーベルpp群AAは素数べき位数の巡回群の有限直和に分解する。

証明.∣A∣|A|に関する帰納法を用いる。A=0A=0ならば、空の直和が求める分解を与える。A≠0A\neq 0とし、AAの元の位数の最大値をpnp^nとする。位数pnp^nの元aaを取り、⟨a⟩\langle a\rangleをCpnC_{p^n}と同一視する準同型

f0 ⁣:⟨a⟩⟶Cpn,f0(a)=1f_0\colon\langle a\rangle\longrightarrow C_{p^n}, \qquad f_0(a)=1

を考える。すべてのx∈Ax\in Aはpnx=0p^nx=0を満たすので、補題 4.1によってf0f_0は準同型f ⁣:A→Cpnf\colon A\to C_{p^n}に延長する。

f(a)=1f(a)=1であるからffは全射である。任意のx∈Ax\in Aに対し、f(x)=[k]pnf(x)=[k]_{p^n}となる整数kkを取れば、

x=ka+(x−ka)x=ka+(x-ka)

であり、x−ka∈ker⁡fx-ka\in\ker fである。さらに、ka∈⟨a⟩∩ker⁡fka\in\langle a\rangle\cap\ker fならば

0=f(ka)=[k]pn0=f(ka)=[k]_{p^n}

であるからpn∣kp^n\mid kであり、ka=0ka=0となる。したがって⟨a⟩∩ker⁡f=0\langle a\rangle\cap\ker f=0であり、

A=⟨a⟩⊕ker⁡fA=\langle a\rangle\oplus\ker f

となる。ker⁡f\ker fはAAより位数の小さい有限アーベルpp群なので、帰納法によって巡回pp群の直和に分解する。よってAAも同じ性質をもつ。

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補題 3.2と補題 4.2を組み合わせると、有限アーベル群の初等因子表示の存在が従う。

5 初等因子の一意性

命題 5.1.AAを有限アーベルpp群とする。各k≥1k\geq 1に対して

∣pk−1A/pkA∣=pdp,k\left|p^{k-1}A/p^kA\right|=p^{d_{p,k}}

によって非負整数dp,kd_{p,k}を定める。初等因子pkp^kの重複度mp,km_{p,k}は

mp,k=dp,k−dp,k+1m_{p,k}=d_{p,k}-d_{p,k+1}

に等しい。したがって有限アーベル群の初等因子は同型を除いて一意に定まる。

証明.AAが初等因子表示

A≅⨁a≥1Cpa mp,aA\cong\bigoplus_{a\geq 1} C_{p^a}^{\,m_{p,a}}

をもつとする。巡回直和因子CpaC_{p^a}は、a≥ka\geq kの場合に限って

pk−1Cpa/pkCpap^{k-1}C_{p^a}/p^kC_{p^a}

へ位数ppの直和因子を一つ与える。a<ka<kの場合には零群を与える。したがって

dp,k=∑a≥kmp,ad_{p,k}=\sum_{a\geq k}m_{p,a}

であり、隣り合う二式の差を取ると

dp,k−dp,k+1=mp,kd_{p,k}-d_{p,k+1}=m_{p,k}

を得る。

各pk−1A/pkAp^{k-1}A/p^kAは群AAだけから定まるので、数列(dp,k)k≥1(d_{p,k})_{k\geq1}は同型不変量である。十分大きいkkではdp,k=0d_{p,k}=0であり、上式によってすべての重複度を復元することができる。一般の有限アーベル群では補題 3.2によって各pp-成分が群から一意に定まるため、すべての素数について同じ結論を適用することができる。

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この証明ではベクトル空間の次元を分類の入力として仮定していない。有限商群の位数という、元の群から直接定まる不変量だけを用いている。

6 単因子表示への変換

補題 6.1.n1,…,ntn_1,\ldots,n_tを互いに素な正の整数とし、N=n1⋯ntN=n_1\cdots n_tとする。このとき

CN≅Cn1⊕⋯⊕CntC_N\cong C_{n_1}\oplus\cdots\oplus C_{n_t}

である。

証明. 準同型

φ ⁣:CN⟶⨁i=1tCni,[x]N⟼([x]n1,…,[x]nt)\varphi\colon C_N\longrightarrow\bigoplus_{i=1}^t C_{n_i}, \qquad [x]_N\longmapsto([x]_{n_1},\ldots,[x]_{n_t})

を考える。[x]N=[y]N[x]_N=[y]_NならばN∣x−yN\mid x-yであり、各nin_iはNNを割るのでni∣x−yn_i\mid x-yである。したがって[x]ni=[y]ni[x]_{n_i}=[y]_{n_i}がすべてのiiについて成り立ち、φ\varphiは整定義されている。また、

φ([x]N+[y]N)=([x+y]n1,…,[x+y]nt)=φ([x]N)+φ([y]N)\varphi([x]_N+[y]_N) =([x+y]_{n_1},\ldots,[x+y]_{n_t}) =\varphi([x]_N)+\varphi([y]_N)

なのでφ\varphiは加法準同型である。φ([x]N)=0\varphi([x]_N)=0ならば、すべてのnin_iがxxを割る。§E6.27 補題 4.2 (3)によってN∣xN\mid xであるから、ker⁡φ=0\ker\varphi=0である。定義域と終域はいずれも位数NNなので、単射φ\varphiは全射でもある。

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命題 6.2. 初等因子表示から単因子表示を一意に構成することができ、逆に単因子表示から初等因子表示を一意に復元することができる。

証明. 各素数ppについて、初等因子に現れる指数を重複度を含めて昇順に並べ、

ap,1≤ap,2≤⋯≤ap,rpa_{p,1}\leq a_{p,2}\leq\cdots\leq a_{p,r_p}

とする。r=max⁡prpr=\max_p r_pとおき、各列の左側に00を補って長さをrrにそろえる。得られた指数をbp,1≤⋯≤bp,rb_{p,1}\leq\cdots\leq b_{p,r}とし、

di=∏ppbp,id_i=\prod_p p^{b_{p,i}}

と定める。指数列が昇順なのでdi∣di+1d_i\mid d_{i+1}である。各iiについて、異なる素数に属する巡回群を補題 6.1によってまとめると

⨁pCpbp,i≅Cdi\bigoplus_p C_{p^{b_{p,i}}}\cong C_{d_i}

となる。ただしbp,i=0b_{p,i}=0の因子は零群として省く。この操作によって初等因子表示から単因子表示を得る。

逆に、各did_iを一意な素因数分解

di=∏ppbp,id_i=\prod_p p^{b_{p,i}}

に分け、補題 6.1を逆向きに適用すれば初等因子表示を得る。di∣di+1d_i\mid d_{i+1}という条件は、各ppについてbp,i≤bp,i+1b_{p,i}\leq b_{p,i+1}であることと同値である。したがって二つの操作は互いに逆である。初等因子が命題 5.1によって一意であるため、単因子も一意である。

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定理 6.3 (有限アーベル群の基本定理). 任意の有限アーベル群GGは初等因子表示をもつ。各素数べきの重複度はGGから一意に定まる。

同値な形として、GGは単因子表示

G≅Cd1⊕⋯⊕Cds,1<d1∣⋯∣dsG\cong C_{d_1}\oplus\cdots\oplus C_{d_s}, \qquad 1<d_1\mid\cdots\mid d_s

をもち、列(d1,…,ds)(d_1,\ldots,d_s)も一意に定まる。零群については空の直和を用いる。

証明.GGが零群ならば、空の直和が初等因子表示と単因子表示の両方を与える。以下ではGGが非零群であるとする。

補題 3.2により、GGは各素数ppに属するpp-成分の直和に分解する。各pp-成分へ補題 4.2を適用すると、GGは素数べき位数の巡回群の有限直和に分解する。したがって初等因子表示が存在する。命題 5.1により、各初等因子の重複度はGGから一意に定まる。

初等因子表示へ命題 6.2を適用すると、1<d1∣⋯∣ds1<d_1\mid\cdots\mid d_sを満たす単因子表示が得られる。同じ命題によって、単因子表示から初等因子表示を一意に復元することができる。初等因子表示が一意であるため、単因子の列(d1,…,ds)(d_1,\ldots,d_s)も一意に定まる。

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7 分類の例

例 7.1 (位数12のアーベル群).12=22⋅312=2^2\cdot3である。22-成分の初等因子表示はC4C_4またはC2⊕C2C_2\oplus C_2の二通りであり、33-成分はC3C_3の一通りである。したがって位数1212のアーベル群は

C4⊕C3またはC2⊕C2⊕C3C_4\oplus C_3 \quad\text{または}\quad C_2\oplus C_2\oplus C_3

の二種類に限る。補題 6.1によって、単因子表示はそれぞれ

C12,C2⊕C6C_{12}, \qquad C_2\oplus C_6

となる。両者は位数が22を割る元の個数がそれぞれ22と44なので、互いに同型ではない。

例 7.2 (位数72のアーベル群).72=23⋅3272=2^3\cdot3^2である。初等因子表示

C2⊕C4⊕C9C_2\oplus C_4\oplus C_9

では、22に対する指数列が(1,2)(1,2)、33に対する指数列が(2)(2)である。短い列の左側に00を補うと

122(1)(2)3(0)(2)\begin{array}{c|cc} &1&2\\ \hline 2&(1)&(2)\\ 3&(0)&(2) \end{array}

となる。列ごとに掛け合わせると、単因子は22と3636である。したがって

C2⊕C4⊕C9≅C2⊕C36C_2\oplus C_4\oplus C_9\cong C_2\oplus C_{36}

であり、2∣362\mid36も満たされる。

注意 7.3 (位数だけでは分類できない). 位数だけでは有限アーベル群は決まらない。例えばC8C_8、C4⊕C2C_4\oplus C_2、C2⊕C2⊕C2C_2\oplus C_2\oplus C_2はいずれも位数88である。分類では、各素数べきの指数と重複度を記録する必要がある。

8 演習

問題 8.1.

  1. C12⊕C18C_{12}\oplus C_{18}の初等因子表示を求めよ。また、初等因子から単因子表示を構成せよ。
  2. 有限アーベルpp群AAについてdp,1=4d_{p,1}=4、dp,2=2d_{p,2}=2、dp,3=1d_{p,3}=1、dp,4=0d_{p,4}=0であるとする。各初等因子pkp^kの重複度を求めよ。
  3. 補題 4.1の証明で、CpnC_{p^n}においてpn−1w=0p^{n-1}w=0ならばw=pzw=pzと表されることを、剰余類の代表元を用いて示せ。
  4. 位数200=23⋅52200=2^3\cdot5^2の有限アーベル群の同型類を、初等因子表示ですべて列挙せよ。
解答.
  1. C12⊕C18≅C4⊕C3⊕C2⊕C9C_{12}\oplus C_{18}\cong C_4\oplus C_3\oplus C_2\oplus C_9である。指数列をそろえると単因子は6,366,36となるため、C12⊕C18≅C6⊕C36C_{12}\oplus C_{18}\cong C_6\oplus C_{36}である。元の表示12∤1812\nmid18は単因子表示ではないが、同じ群の表示である。
  2. mp,1=2m_{p,1}=2、mp,2=1m_{p,2}=1、mp,3=1m_{p,3}=1である。
  3. w=[r]pnw=[r]_{p^n}とするとpn∣pn−1rp^n\mid p^{n-1}rなのでp∣rp\mid rであり、r=psr=psと表される。よってw=p[s]pnw=p[s]_{p^n}である。
  4. 22-成分はC8C_8、C4⊕C2C_4\oplus C_2、C2 3C_2^{\,3}の三通り、55-成分はC25C_{25}、C5 2C_5^{\,2}の二通りである。したがって両者を一つずつ選ぶ六通りである。

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参考文献

  1. Michael Artin, Algebra, 2nd ed., Pearson, Boston, 2011.有限アーベル群の分類に関する標準的な記述を参考にした。
  2. David S. Dummit and Richard M. Foote, Abstract Algebra, 3rd ed., Wiley, 2004.有限アーベル群の初等因子表示と単因子表示の証明構成を参考にした。

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