成功確率が一定で、各回が独立である反復試行について、成功回数の確率分布を求めます。
1 定義と確率
定義 1.1 (二項分布). 成功確率の試行を独立に回行い、成功回数をとします。このときの確率分布を、試行回数、成功確率の二項分布といい、と書きます。ただしは正の整数、とします。
公式 1.2 (二項分布の確率関数).ならば、について
が成り立ちます。
証明. 成功する回の選び方は通りです。各選び方が起こる確率は独立性によりです。これらは排反なので、確率を足すと公式を得ます。▨
例 1.3 (成功が2回になる確率). 成功確率の独立な試行を5回行うとき、成功がちょうど2回になる確率は
です。
2 期待値と分散
各回の成否を0と1の確率変数へ分けます。
定理 2.1 (二項分布の期待値と分散).ならば、
が成り立ちます。
証明. 第回が成功すれば、失敗すればとします。このとき
です。期待値の線形性からを得ます。各回が独立なのでも互いに独立であり、分散の加法性からを得ます。▨
3 分布の形
注意 3.1 (パラメータと分布の形).では分布はを中心として対称です。では小さい成功回数に確率が集まり、では大きい成功回数に確率が集まります。を増やすと分散は増えますが、成功割合の分散はへ減少します。
公式 3.2 (二項分布の隣接確率比).とし、を満たす整数について、
が成り立ちます。この比を調べると、確率が増加から減少へ変わる位置を判断することができます。
注意 3.3 (成功確率が端点にある場合).では、ではであり、分布は一点に集中します。隣接確率比はまたはによる除算を含むため、これらの端点では用いず、確率関数から分布を直接判断します。
4 演習
- のとき、、、を求めます。
- との確率関数が左右反転の関係にあることを説明します。
- のとき、成功割合の標準偏差を求め、の増加による変化を説明します。
1の答えは、、です。2では
なので左右反転します。3の標準偏差はであり、を固定するとの平方根に反比例して減少します。