§E2.24局所コンパクト空間

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コンパクト性は空間の全体に課される条件であり、Euclid 空間をはじめ、解析や幾何で日常的に現れる空間の多くはこれを満たさない。しかしそれらの空間でも、各点のまわりの十分小さい範囲はコンパクトである。この局所的な条件だけを取り出したものが局所コンパクト性である。全体のコンパクト性を要求しないこの弱い条件のもとで、コンパクト空間について成り立つ事柄がどこまで残るのかが問題になる。その度合いは、もとの空間へ点を一つだけ付け加えてコンパクトな空間にすることができるかどうかによって測ることができ、局所コンパクト性はこの操作が働く範囲を画する条件として現れる。本記事では、局所コンパクト空間と一点コンパクト化を扱う。

1 定義

定義 1.1 (コンパクト近傍をもつ点). 位相空間XXの点xxが コンパクト近傍をもつ (locally compact at a point) とは、x∈U⊆Nx\in U\subseteq Nを満たす開集合U⊆XU\subseteq Xとコンパクト部分集合N⊆XN\subseteq Xが存在することをいう。

定義 1.2 (局所コンパクト空間). 位相空間XXが 局所コンパクト空間 (locally compact space) であるとは、XXのすべての点が定義 1.1の意味でコンパクト近傍をもつことをいう。

定義 1.3 (局所コンパクトな点の全体). 位相空間XXに対して、コンパクト近傍をもつ点の全体をXXの 局所コンパクトな点の全体 (locally compact locus) といい、

Xlc={x∈X∣x はコンパクト近傍をもつ}X_{\mathrm{lc}}=\{x\in X\mid x\text{ はコンパクト近傍をもつ}\}

と書く。XXが局所コンパクトであることとXlc=XX_{\mathrm{lc}}=Xであることは同値である。

命題 1.4.XXを位相空間とし、XlcX_{\mathrm{lc}}には部分空間位相を入れる。

  1. XlcX_{\mathrm{lc}}はXXの開集合である。
  2. XXの開集合UUが部分空間として局所コンパクトならばU⊆XlcU\subseteq X_{\mathrm{lc}}である。

証明.(1)を示す。x∈Xlcx\in X_{\mathrm{lc}}をとり、定義 1.1が与える開集合UUとコンパクト部分集合NNをx∈U⊆Nx\in U\subseteq Nを満たすようにとる。y∈Uy\in Uに対してもy∈U⊆Ny\in U\subseteq Nであるから、NNはyyのコンパクト近傍でありy∈Xlcy\in X_{\mathrm{lc}}である。ゆえにx∈U⊆Xlcx\in U\subseteq X_{\mathrm{lc}}であり、§E2.11 補題 2.6によりXlcX_{\mathrm{lc}}は開集合である。

(2)を示す。UUを局所コンパクトな開集合とし、x∈Ux\in Uをとる。部分空間UUの中でx∈W⊆Mx\in W\subseteq Mを満たすUUの開集合WWとコンパクト部分集合M⊆UM\subseteq Uをとる。UUはXXの開集合であるから、§E2.12 命題 5.16 (1)によりWWはXXの開集合である。また§E2.19 補題 2.7によりMMはXXのコンパクト部分集合である。ゆえにxxはXXでコンパクト近傍をもち、x∈Xlcx\in X_{\mathrm{lc}}である。▨

注意 1.5. 本記事の定義 1.2では、Hausdorff 性を局所コンパクト性の定義に含めず、独立した条件として扱う。文献によっては、Hausdorff 性を局所コンパクト性の定義に含める。また、各点がコンパクトな閉包をもつ開近傍をもつことを定義に採用する文献もある。局所コンパクト Hausdorff 空間では、後者の条件は定理 1.6により本記事の定義から従う。逆に、開近傍VVの閉包V‾\overline Vがコンパクトならば、V‾\overline V自体がコンパクトな近傍なので、後者の条件から本記事の定義が従う。

定理 1.6.XXを Hausdorff 空間とし、x∈Xx\in Xは定義 1.1の意味でコンパクト近傍をもつとする。xxを含む開集合O⊆XO\subseteq Xに対して、開集合V⊆XV\subseteq Xで

x∈V⊆V‾⊆Ox\in V\subseteq \overline V\subseteq O

を満たし、V‾\overline Vがコンパクトであるものが存在する。

証明. 仮定によりxxのコンパクトな近傍NNが存在する。§E2.11 定義 6.1により、x∈G⊆Nx\in G\subseteq Nを満たす開集合G⊆XG\subseteq Xをとる。GGをG∩OG\cap Oに替えることにより、G⊆OG\subseteq Oとしてよい。

§E2.19 命題 6.4によりNNはXXの閉集合である。§E2.15 定理 2.1 (3)によりNNはコンパクト Hausdorff 空間であり、§E2.19 定理 6.11により正規である。F=N∖GF=N\setminus GはNNの閉集合である。また、Hausdorff 空間は T1 であるから(§E2.15 定理 1.11 (4))、§E2.15 命題 1.5により{x}\{x\}はNNの閉集合である。

正規性により、NNにおける互いに交わらない開集合A,BA,Bで、x∈Ax\in AかつF⊆BF\subseteq Bを満たすものが存在する。A⊆N∖B⊆GA\subseteq N\setminus B\subseteq Gであり、N∖BN\setminus BはNNの閉集合なので、cl⁡N(A)⊆N∖B⊆G\tpcl[N]{A}\subseteq N\setminus B\subseteq Gである。AAはNNで開いているからA=H∩NA=H\cap Nを満たす開集合H⊆XH\subseteq Xが存在し、A⊆G⊆NA\subseteq G\subseteq NよりA=H∩GA=H\cap Gである。したがってAAはXXでも開いている。

NNはXXで閉じておりA⊆NA\subseteq Nなので、§E2.12 命題 4.7によりA‾=cl⁡N(A)\overline A=\tpcl[N]{A}である。よって

x∈A⊆A‾⊆G⊆Ox\in A\subseteq\overline A\subseteq G\subseteq O

である。さらにcl⁡N(A)\tpcl[N]{A}はコンパクト空間NNの閉部分集合なので、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。V=AV=Aとおけばよい。▨

系 1.7.XXを Hausdorff 空間とする。このとき以下が成り立つ:

  1. XlcX_{\mathrm{lc}}は部分空間として局所コンパクトである。
  2. XlcX_{\mathrm{lc}}は、XXの局所コンパクトな開部分空間のうち包含について最大のものである。

証明.(1)を示す。x∈Xlcx\in X_{\mathrm{lc}}をとる。命題 1.4 (1)によりXlcX_{\mathrm{lc}}はXXの開集合であるから、定理 1.6をO=XlcO=X_{\mathrm{lc}}へ適用すると、x∈V⊆V‾⊆Xlcx\in V\subseteq\overline V\subseteq X_{\mathrm{lc}}を満たす開集合VVでV‾\overline Vがコンパクトであるものが存在する。§E2.12 命題 5.16 (1)によりVVは部分空間XlcX_{\mathrm{lc}}の開集合であり、§E2.19 補題 2.7によりV‾\overline VはXlcX_{\mathrm{lc}}のコンパクト部分集合である。ゆえにxxはXlcX_{\mathrm{lc}}の中でコンパクト近傍をもち、XlcX_{\mathrm{lc}}は局所コンパクトである。

(2)は命題 1.4 (2)よりただちに従う。▨

系 1.8.XXを局所コンパクト Hausdorff 空間とすると、XXの任意の開部分空間は局所コンパクト Hausdorff である。特に、コンパクト Hausdorff 空間の任意の開部分空間は局所コンパクト Hausdorff である。

証明.U⊆XU\subseteq Xを開部分空間とし、x∈Ux\in Uをとる。XXは局所コンパクトであるからxxは定義 1.1の意味でコンパクト近傍をもち、定理 1.6をO=UO=Uへ適用すると、x∈V⊆V‾⊆Ux\in V\subseteq\overline V\subseteq Uを満たすXXの開集合VVでV‾\overline Vがコンパクトであるものが存在する。§E2.12 命題 5.16 (1)によりVVは部分空間UUの開集合であり、§E2.19 補題 2.7によりV‾\overline VはUUのコンパクト部分集合である。ゆえにxxはUUの中でコンパクト近傍をもち、xxは任意であったから定義 1.2によりUUは局所コンパクトである。§E2.15 定理 2.1 (3)によりUUは Hausdorff である。

XXがコンパクト Hausdorff 空間ならば、各x∈Xx\in XについてXX自身がxxを含む開集合かつコンパクト部分集合であるから、定義 1.2によりXXは局所コンパクトである。したがって後半は前半から従う。▨

補題 1.9.XXを位相空間、cXcXをXXのコンパクト化とする。このとき

int⁡cX(X)=cX∖cl⁡cX(cX∖X)=Xlc\tpint[cX]{X} = cX\setminus \tpcl[cX]{cX\setminus X} = X_{\mathrm{lc}}

が成り立つ。

証明.§E2.22 定義 1.1によりcXcXはコンパクト Hausdorff 空間であり、XXがcXcXから受ける部分空間位相はもとの位相であり、cl⁡cX(X)=cX\tpcl[cX]{X}=cXである。したがって§E2.11 定義 2.7によりXXはcXcXで稠密である。

x∈Xlcx\in X_{\mathrm{lc}}とする。定義 1.1により、x∈U⊆Nx\in U\subseteq Nを満たすXXの開集合UUとコンパクト部分集合N⊆XN\subseteq Xが存在する。§E2.19 補題 2.7によりNNはcXcXのコンパクト部分集合であり、§E2.19 命題 6.4によりcXcXの閉集合である。§E2.12 定義 4.1によりV∩X=UV\cap X=Uを満たすcXcXの開集合VVが存在する。XXはcXcXで稠密でありVVはcXcXの開集合であるから、§E2.11 命題 2.10によりV⊆cl⁡cX(V∩X)=cl⁡cX(U)V\subseteq\tpcl[cX]{V\cap X}=\tpcl[cX]{U}である。U⊆NU\subseteq NでありNNはcXcXの閉集合であるから、§E2.11 命題 2.5 (1)によりcl⁡cX(U)⊆N\tpcl[cX]{U}\subseteq Nである。ゆえに

x∈U⊆V⊆cl⁡cX(U)⊆N⊆Xx\in U\subseteq V\subseteq\tpcl[cX]{U}\subseteq N\subseteq X

であり、VVはXXに含まれるcXcXの開集合であるから、§E2.11 命題 2.5 (1)によりx∈V⊆int⁡cX(X)x\in V\subseteq\tpint[cX]{X}である。xxは任意であったからXlc⊆int⁡cX(X)X_{\mathrm{lc}}\subseteq\tpint[cX]{X}である。

次にx∈int⁡cX(X)x\in\tpint[cX]{X}とする。§E2.11 命題 2.5 (1)によりint⁡cX(X)\tpint[cX]{X}はXXに含まれるcXcXの開集合である。cXcXはコンパクト Hausdorff 空間であるから§E2.19 命題 6.10により正則であり、§E2.15 補題 2.6により、x∈Wx\in Wかつcl⁡cX(W)⊆int⁡cX(X)\tpcl[cX]{W}\subseteq\tpint[cX]{X}を満たすcXcXの開集合WWが存在する。cl⁡cX(W)\tpcl[cX]{W}はcXcXの閉集合でありcXcXはコンパクトであるから、§E2.19 命題 4.1によりcl⁡cX(W)\tpcl[cX]{W}はコンパクトである。cl⁡cX(W)⊆X\tpcl[cX]{W}\subseteq Xであるから、§E2.19 補題 2.7によりcl⁡cX(W)\tpcl[cX]{W}はXXのコンパクト部分集合である。またW⊆XW\subseteq XであるからW∩X=WW\cap X=Wであり、§E2.12 定義 4.1によりWWはXXの開集合である。x∈W⊆cl⁡cX(W)x\in W\subseteq\tpcl[cX]{W}であるから、定義 1.1によりx∈Xlcx\in X_{\mathrm{lc}}である。xxは任意であったからint⁡cX(X)⊆Xlc\tpint[cX]{X}\subseteq X_{\mathrm{lc}}である。▨

系 1.10.XXを T3½ 空間とすると、次は同値である:

  1. XXは局所コンパクト空間である。
  2. βX∖X⊂βX\beta X\setminus X\subset \beta Xは閉である。
  3. あるコンパクト化cXcXが存在して、cX∖X⊂cXcX\setminus X\subset cXは閉である。
  4. 任意のコンパクト化cXcXに対しcX∖X⊂cXcX\setminus X \subset cXは閉である。

証明.補題 1.9よりただちに従う。▨

系 1.11.XXを局所コンパクト Hausdorff 空間、cXcXをXXのコンパクト化とする。このとき剰余cX∖XcX\setminus Xはコンパクトである。

証明. 演習とする。▨

定理 1.12.XX、YYを位相空間、f ⁣:X→Yf\colon X\to Yを固有写像とする。このとき、次が成り立つ:

  1. YYが局所コンパクトならばXXは局所コンパクトである。
  2. さらにX,YX, Yが T3½ 空間であり、ffが完全写像であるとき、XXが局所コンパクトならばYYは局所コンパクトである。

証明.(1)を示す。x∈Xx\in Xをとる。YYは局所コンパクトであるから、定義 1.1によりf(x)∈V⊆Nf(x)\in V\subseteq Nを満たすYYの開集合VVとコンパクト部分集合NNが存在する。ffは連続であるからf−1(V)f^{-1}(V)はXXの開集合であり、ffは固有であるから§E2.20 定義 1.1によりf−1(N)f^{-1}(N)はXXのコンパクト部分集合である。x∈f−1(V)⊆f−1(N)x\in f^{-1}(V)\subseteq f^{-1}(N)であるからxxはコンパクト近傍をもち、xxは任意であったから定義 1.2によりXXは局所コンパクトである。

(2)は系 1.10とβf(βX∖X)=βY∖Y\beta f (\beta X\setminus X) = \beta Y\setminus Yからただちに従う。▨

系 1.13.XXを局所コンパクトな位相空間とする。

  1. A⊆XA\subseteq XがXXの閉集合であり、AAに部分空間位相を入れるならば、AAは局所コンパクトである。
  2. KKがコンパクトな位相空間ならば、積空間X×KX\times Kは局所コンパクトである。

証明.(1)を示す。§E2.20 命題 1.2 (3)により包含写像ιA ⁣:A→X\iota_A\colon A\to Xは固有であるから、定理 1.12 (1)をιA\iota_Aへ適用するとAAは局所コンパクトである。

(2)を示す。§E2.20 命題 4.5により射影pr⁡X ⁣:X×K→X\operatorname{pr}_X\colon X\times K\to Xは固有であるから、定理 1.12 (1)をpr⁡X\operatorname{pr}_Xへ適用するとX×KX\times Kは局所コンパクトである。▨

例 1.14. 通常の位相を入れたR\mathbb Rの部分空間Q\mathbb QについてQlc=∅\mathbb Q_{\mathrm{lc}}=\emptysetである。q∈Qq\in\mathbb QがQ\mathbb Qでコンパクト近傍NNをもつと仮定する。§E2.11 定義 6.1と§E2.12 定義 4.1により、(q−ε,q+ε)∩Q⊆N(q-\varepsilon,q+\varepsilon)\cap\mathbb Q\subseteq Nを満たす実数ε>0\varepsilon>0が存在する。包含写像は§E2.12 定理 4.4により連続であるから、§E2.19 定理 4.2によりNNはR\mathbb Rのコンパクト部分集合であり、§E2.9 定理 4.3によりR\mathbb Rの閉集合である。

§D1.4 補題 2.3により、q<r<q+εq<r<q+\varepsilonを満たす無理数rrをとると、rrの任意の近傍は(q−ε,q+ε)∩Q(q-\varepsilon,q+\varepsilon)\cap\mathbb Qと交わる。ゆえに§E2.11 命題 7.2 (2)によりrrはNNのR\mathbb Rにおける閉包に属し、NNが閉集合であることからr∈N⊆Qr\in N\subseteq\mathbb Qとなる。これはrrが無理数であることに反する。

一方、q∈Qq\in\mathbb Qに対して、部分空間{q}\{q\}では{q}\{q\}自身が開集合であり、§E2.19 例 2.3によりコンパクトであるから、定義 1.2により部分空間{q}\{q\}は局所コンパクトである。Qlc=∅\mathbb Q_{\mathrm{lc}}=\emptysetであるから{q}⊆Qlc\{q\}\subseteq\mathbb Q_{\mathrm{lc}}は成り立たない。したがって命題 1.4 (2)の結論は、開集合であるという仮定を外すと成り立たず、系 1.7が述べる最大性も、XXの局所コンパクトな開部分空間のうちでの最大性であって、XXの局所コンパクトな部分空間のうちでの最大性ではない。

2 一点コンパクト化

定義 2.1 (一点コンパクト化位相).XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。αX=X∪{X}\alpha X = X\cup\{X\}とおく。認知上の便宜のため、∞:=X\infty:=Xと置く。αX\alpha Xの部分集合の族を

OαX={U⊆X∣U は X で開いている}∪{αX∖K∣K⊆X はコンパクトである}\mathcal O_{\alpha X} =\{U\subseteq X\mid U\text{ は }X\text{ で開いている}\} \cup \{\alpha X\setminus K\mid K\subseteq X\text{ はコンパクトである}\}

によって定める。OαX\mathcal O_{\alpha X}が定める位相を 一点コンパクト化位相 (one-point compactification topology) と呼ぶ。

命題 2.2.XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。αX\alpha Xを定義 2.1で定めた集合とし、αX∖X\alpha X\setminus Xの唯一の点を∞\inftyとする。このとき、次が成り立つ:

  1. 定義 2.1で定めた族OαX\mathcal O_{\alpha X}はαX\alpha Xの位相を定める。以下、この位相によりαX\alpha Xを位相空間とみなす。
  2. 包含写像j ⁣:X↪αXj\colon X\hookrightarrow\alpha Xは開埋め込みであり、その像は稠密である。以下、この開埋め込みによりX⊂αXX\subset \alpha Xとみなす。
  3. αX\alpha Xはコンパクト Hausdorff 空間であり、X⊂αXX\subset \alpha Xは稠密である。特に、αX\alpha XはXXのコンパクト化である。
  4. XXは T3½ 空間である。

証明.(1)を示す。∅\emptysetはXXの開集合としてOαX\mathcal O_{\alpha X}に属する。また、空集合はコンパクトであるから、αX=αX∖∅\alpha X=\alpha X\setminus\emptysetもOαX\mathcal O_{\alpha X}に属する。

{Uλ}λ∈Λ⊆OαX\{U_\lambda\}_{\lambda\in\Lambda}\subseteq\mathcal O_{\alpha X}とする。∞∉⋃λUλ\infty\notin\bigcup_\lambda U_\lambdaならば、各UλU_\lambdaはXXの開集合なので、⋃λUλ\bigcup_\lambda U_\lambdaもXXの開集合である。∞∈⋃λUλ\infty\in\bigcup_\lambda U_\lambdaならば、∞∈Uλ0\infty\in U_{\lambda_0}を満たすλ0\lambda_0をとり、K0=αX∖Uλ0K_0=\alpha X\setminus U_{\lambda_0}とおく。K0K_0はXXのコンパクト部分集合である。∞∉Uλ\infty\notin U_\lambdaならばUλ∩X=UλU_\lambda\cap X=U_\lambdaはXXで開いている。∞∈Uλ\infty\in U_\lambdaならばUλ∩XU_\lambda\cap Xはコンパクト部分集合の補集合であり、§E2.19 命題 6.4によりXXで開いている。したがって(⋃λUλ)∩X(\bigcup_\lambda U_\lambda)\cap XはXXで開いている。集合

K=αX∖⋃λUλ=K0∖((⋃λUλ)∩X)K=\alpha X\setminus\bigcup_\lambda U_\lambda =K_0\setminus\left(\left(\bigcup_\lambda U_\lambda\right)\cap X\right)

はK0K_0の閉部分集合なので、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。よって⋃λUλ=αX∖K\bigcup_\lambda U_\lambda=\alpha X\setminus KはOαX\mathcal O_{\alpha X}に属する。

U,V∈OαXU,V\in\mathcal O_{\alpha X}とする。∞∉U∪V\infty\notin U\cup VならばU∩VU\cap VはXXの開集合である。∞\inftyが一方だけに属するとき、例えばU⊆XU\subseteq XかつV=αX∖KV=\alpha X\setminus Kと書けば、U∩V=U∩(X∖K)U\cap V=U\cap(X\setminus K)はXXの開集合である。∞∈U∩V\infty\in U\cap Vならば、U=αX∖KU=\alpha X\setminus K、V=αX∖LV=\alpha X\setminus Lを満たすコンパクト部分集合K,L⊆XK,L\subseteq Xが存在する。§E2.19 補題 2.8によりK∪LK\cup Lはコンパクトであり、

U∩V=αX∖(K∪L)U\cap V=\alpha X\setminus(K\cup L)

はOαX\mathcal O_{\alpha X}に属する。以上により§E2.11 定義 1.1の位相公理が成り立つ。

(2)を示す。XXは第一の形の開集合であり、XXの任意の開集合もαX\alpha Xで開いている。一方、W∈OαXW\in\mathcal O_{\alpha X}に対して、∞∉W\infty\notin WならばW∩X=WW\cap X=WはXXで開いている。∞∈W\infty\in WならばW∩X=X∖KW\cap X=X\setminus Kと書くことができ、KKはXXで閉じているので、この集合もXXで開いている。したがってαX\alpha XからXXに入る部分空間位相はもとの位相に一致し、包含写像jjは開埋め込みである。jjの像が稠密であることは∞∈αX\infty\in \alpha Xの任意の近傍がXXと交わることからただちに従う。

(3)を示す。U\mathcal UをαX\alpha Xの開被覆とする。∞∈U∞\infty\in U_\inftyを満たすU∞∈UU_\infty\in\mathcal Uをとる。定義 2.1により、K=αX∖U∞K=\alpha X\setminus U_\inftyはXXのコンパクト部分集合である。族{U∩X∣U∈U}\{U\cap X\mid U\in\mathcal U\}はKKのXXにおける開被覆なので、§E2.19 定義 2.1によりKKを覆う有限個の要素U1∩X,…,Um∩XU_1\cap X,\dots,U_m\cap Xが存在する。U∞,U1,…,UmU_\infty,U_1,\dots,U_mはαX\alpha Xを覆う。よってαX\alpha Xはコンパクトである。

x,y∈Xx,y\in Xかつx≠yx\ne yならば、XXの Hausdorff 性により、xxとyyを含む互いに交わらないXXの開集合が存在する。これらはαX\alpha Xでも開いている。

x∈Xx\in Xとする。局所コンパクト性により、xxのコンパクトな近傍NNをとり、x∈V⊆Nx\in V\subseteq Nを満たすXXの開集合VVをとる。VVはαX\alpha Xで開いており、αX∖N\alpha X\setminus Nも第二の形の開集合である。両者は互いに交わらず、それぞれxxと∞\inftyを含む。したがってαX\alpha Xは Hausdorff である。

(4)は(3)と§E2.18 定理 3.1よりただちに従う。▨

定理 2.3 (局所コンパクト Hausdorff 版の Urysohn の補題).XXを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、K⊆XK\subseteq Xをコンパクト部分集合、U⊆XU\subseteq XをK⊆UK\subseteq Uを満たす開部分集合とする。このとき、すべてのx∈Kx\in Kについてf(x)=1f(x)=1、すべてのx∈X∖Ux\in X\setminus Uについてf(x)=0f(x)=0を満たす連続写像f ⁣:X→[0,1]f\colon X\to[0,1]が存在する。

証明.命題 2.2 (4)と§E2.19 補題 6.1 (3)よりただちに従う。▨

注意 2.4.XXがコンパクト Hausdorff である場合にも、非コンパクト性を用いない命題 2.2 (1)の位相公理の証明により、定義 2.1と同じ式は位相を定める。しかしK=XK=Xとすれば{∞}=αX∖X\{\infty\}=\alpha X\setminus Xが開集合になる。したがってXXはαX\alpha Xで稠密でなく、一点コンパクト化にはならない。

例 2.5. 端点を除去した Tychonoff の板(ω+1)×(ω1+1)∖{(ω,ω1)}(\omega+1)\times(\omega_1+1)\setminus \{(\omega,\omega_1)\}は系 1.8より局所コンパクト Hausdorff 空間であるが、正規空間でない。

系 2.6. 位相空間XXの一点コンパクト化YYがあり、Y∖X={ω}Y\setminus X=\{\omega\}であるとする。このときXXは非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間である。

証明.§E2.22 定義 1.1によりYYはコンパクト Hausdorff 空間であり、XXがYYから受ける部分空間位相はもとの位相に一致し、cl⁡Y(X)=Y\tpcl[Y]{X}=Yである。§E2.15 定理 2.1 (3)によりXXは Hausdorff である。§E2.19 系 6.12によりYYは T3½ 空間であるから、§E2.15 系 2.2によりXXも T3½ 空間である。

§E2.15 定理 1.11 (4)と§E2.15 命題 1.5によりY∖X={ω}Y\setminus X=\{\omega\}はYYの閉集合である。したがってcX=YcX=Yは系 1.10 (3)を満たすので、系 1.10 (3)⇒\Rightarrow(1)によりXXは局所コンパクトである。

XXがコンパクトであると仮定する。§E2.19 命題 6.4によりXXはYYの閉集合であるから、Y=cl⁡Y(X)=XY=\tpcl[Y]{X}=Xとなり、ω∈Y∖X\omega\in Y\setminus Xに反する。したがってXXは非コンパクトである。▨

定理 2.7.XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とし、YYをXXの一点コンパクト化とする。Y∖X={ω}Y\setminus X=\{\omega\}と書く。このとき、各x∈Xx\in Xに対してh(x)=xh(x)=xを満たす同相写像h:αX→Yh:\alpha X\to Yがただ一つ存在する。

証明.h(x)=xh(x)=x(x∈Xx\in X)、h(∞)=ωh(\infty)=\omegaと定める。Y=X∪{ω}Y=X\cup\{\omega\}であるからhhは全単射である。また、XX上で恒等写像に一致する全単射は、残る点∞\inftyを残る点ω\omegaへ写すので一意である。

O⊆YO\subseteq Yを開集合とする。ω∉O\omega\notin OならばO⊆XO\subseteq Xであり、YYからXXに入る部分空間位相によってOOはXXの開集合である。したがってh−1(O)=Oh^{-1}(O)=Oは定義 2.1で定めた第一の形の開集合である。

ω∈O\omega\in Oならば、K=Y∖OK=Y\setminus Oはコンパクト空間YYの閉部分集合なのでコンパクトであり、K⊆XK\subseteq Xである。KKにXXから入る部分空間位相とYYから入る部分空間位相は一致するので、KKはXXのコンパクト部分集合でもある。よって

h−1(O)=αX∖Kh^{-1}(O)=\alpha X\setminus K

は第二の形の開集合である。したがってhhは連続である。命題 2.2 (3)によりαX\alpha Xはコンパクトであり、YYは Hausdorff である。§E2.19 定理 6.8をhhに適用すると、hhは同相写像である。▨

注意 2.8. Stone–Čech のコンパクト化は、加える点の個数を制限せず、連続写像の延長についての普遍性によってコンパクト化を選び出す構成である。

命題 2.9.XX、ZZを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とし、f ⁣:X→Zf\colon X\to Zを連続写像とする。写像

f‾ ⁣:αX⟶αZ,f‾(x)=f(x) (x∈X),f‾(∞)=∞\overline f\colon\alpha X\longrightarrow\alpha Z,\qquad \overline f(x)=f(x)\ (x\in X),\qquad \overline f(\infty)=\infty

が連続であることと、ZZの任意のコンパクト部分集合KKに対してf−1(K)f^{-1}(K)がXXのコンパクト部分集合であることとは同値である。

証明は演習とする(問題 6.2)。

3 コンパクト化の最小元と完備束

命題 3.1.XXを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。このとき、XXのコンパクト化の同相類のなす順序集合において[αX][\alpha X]は最小元である。より具体的には、XXの任意のコンパクト化cXcXに対して、すべてのx∈Xx\in Xを固定する完全写像p ⁣:cX→αXp\colon cX\to\alpha Xがただ一つ存在する。

証明.cXcXをXXのコンパクト化とする。命題 2.2 (3)によりαX\alpha XもXXのコンパクト化であり、命題 2.2 (4)によりXXは T3½ 空間である。さらに補題 1.9によりint⁡cX(X)=X\tpint[cX]{X}=Xであり、XXはcXcXの開集合である。写像p ⁣:cX→αXp\colon cX\to\alpha Xを

p(x)=x(x∈X),p(y)=∞(y∈cX∖X)p(x)=x\quad(x\in X),\qquad p(y)=\infty\quad(y\in cX\setminus X)

によって定める。

O⊆αXO\subseteq\alpha Xを開集合とする。∞∉O\infty\notin OならばOOはXXの開集合であり、XXはcXcXの開集合であるから、p−1(O)=Op^{-1}(O)=OはcXcXの開集合である。∞∈O\infty\in Oならば、定義 2.1によりK=αX∖OK=\alpha X\setminus OはXXのコンパクト部分集合であり、cXcXのコンパクト部分集合でもある。cXcXは Hausdorff であるから§E2.19 命題 6.4によりKKはcXcXの閉集合である。したがって

p−1(O)=cX∖Kp^{-1}(O)=cX\setminus K

はcXcXの開集合である。ゆえにppは連続であり、cX≥αXcX\geq\alpha Xである。cXcXは任意であったから[αX][\alpha X]は最小元である。比較写像の一意性と完全性は§E2.22 命題 6.2より従う。▨

系 3.2.XXを局所コンパクト Hausdorff 空間とし、XXのコンパクト化の同相類のなす順序集合をC(X)\mathcal C(X)と書く。このときC(X)\mathcal C(X)は完備束である。任意のA⊆C(X)A\subseteq\mathcal C(X)に対して

⋀A=⋁{[dX]∈C(X)∣すべての [cX]∈A について [cX]≥[dX]}\bigwedge A =\bigvee\bigl\{[dX]\in\mathcal C(X)\mathrel{\big|} \text{すべての }[cX]\in A\text{ について }[cX]\geq[dX]\bigr\}

が成り立つ。XXが非コンパクトならば

⋁∅=[αX],⋀∅=[βX]\bigvee\emptyset=[\alpha X],\qquad \bigwedge\emptyset=[\beta X]

であり、XXがコンパクトならば

C(X)={[X]},⋁∅=⋀∅=[X]\mathcal C(X)=\{[X]\},\qquad \bigvee\emptyset=\bigwedge\emptyset=[X]

である。

証明.XXがコンパクトであるとする。§E2.22 命題 1.2によりXXの任意のコンパクト化はXXに等しいから、C(X)={[X]}\mathcal C(X)=\{[X]\}である。したがってC(X)\mathcal C(X)は完備束であり、表示した下限の式と空集合の上限および下限の式が成り立つ。

XXが非コンパクトであるとする。§E2.22 注意 6.6と§E2.22 命題 6.3によりC(X)\mathcal C(X)は半順序集合である。命題 3.1により[αX][\alpha X]はその最小元であり、§E2.22 系 6.7により[βX][\beta X]はその最大元である。A⊆C(X)A\subseteq\mathcal C(X)とする。A=∅A=\emptysetならば、§E1.8 命題 2.6 (2)により⋁A=[αX]\bigvee A=[\alpha X]である。A≠∅A\neq\emptysetならば、§E2.22 定理 6.8により⋁A\bigvee Aが存在する。したがってC(X)\mathcal C(X)のすべての部分集合に上限が存在し、§E1.9 命題 3.3によりC(X)\mathcal C(X)は完備束であり、任意のA⊆C(X)A\subseteq\mathcal C(X)に対して表示した下限の式が成り立つ。さらに§E1.8 命題 2.6 (2)により⋀∅=[βX]\bigwedge\emptyset=[\beta X]である。▨

4 局所コンパクト距離空間上の距離の修正

命題 4.1.ZZを Hausdorff 空間とし、X⊆ZX\subseteq ZをZZで稠密な部分集合とする。XXにZZからの部分空間位相を入れたときXXが局所コンパクトならば、XXはZZの開集合である。

証明.x∈Xx\in Xをとる。定義 1.2により、x∈U⊆Nx\in U\subseteq Nを満たすXXの開集合UUとコンパクト部分集合N⊆XN\subseteq Xが存在する。§E2.12 定義 4.1により、U=V∩XU=V\cap Xを満たすZZの開集合VVが存在する。

N⊆X⊆ZN\subseteq X\subseteq Zであるから、§E2.19 補題 2.7によりNNはZZのコンパクト部分集合である。ZZは Hausdorff であるから、§E2.19 命題 6.4によりNNはZZの閉集合である。

XXはZZで稠密でありVVはZZの開集合であるから、§E2.11 命題 2.10によりV⊆cl⁡Z(V∩X)V\subseteq\tpcl[Z]{V\cap X}である。V∩X=UV\cap X=UであるからV⊆cl⁡Z(U)V\subseteq\tpcl[Z]{U}である。

U⊆NU\subseteq NでありNNはZZの閉集合であるから、§E2.11 命題 2.5 (1)によりcl⁡Z(U)⊆N\tpcl[Z]{U}\subseteq Nである。したがって

x∈V⊆cl⁡Z(U)⊆N⊆Xx\in V\subseteq\tpcl[Z]{U}\subseteq N\subseteq X

であり、VVはZZの開集合である。xxはXXの任意の点であったから、§E2.11 補題 2.6によりXXはZZの開集合である。▨

命題 4.2.ZZを Hausdorff 空間とし、X⊆ZX\subseteq Zに部分空間位相を入れる。XXが局所コンパクトならば、X=W∩cl⁡Z(X)X=W\cap\tpcl[Z]{X}を満たすZZの開集合WWが存在する。

証明は演習とする(問題 6.3)。

定理 4.3.(X,d)(X,d)を距離空間とし、XXにはddが生じる位相を入れる。XXが局所コンパクトならば、(X,d)(X,d)は完備距離化可能である。

証明.§E2.6 定理 2.6により(X,d)(X,d)の完備化(X^,d^,ι)(\widehat X,\widehat d,\iota)をとる。§E2.6 定義 1.4により(X^,d^)(\widehat X,\widehat d)は完備距離空間、ι ⁣:X→X^\iota\colon X\to\widehat Xは等長写像であり、Y=ι(X)Y=\iota(X)はX^\widehat Xで稠密である。YYにはd^\widehat dの制限距離d^Y\widehat d_Yを入れる。§E2.6 命題 1.2によりι\iotaは単射であるから、終域をYYへ制限した写像は(X,d)(X,d)から(Y,d^Y)(Y,\widehat d_Y)への等長全単射である。以下ではこの写像もι\iotaと書く。ι\iotaの逆写像も等長写像であるから、§E2.6 命題 1.2によりι\iotaとι−1\iota^{-1}はともに連続であり、§E2.12 定義 6.1によりι\iotaは同相写像である。§E2.12 命題 4.8により、d^Y\widehat d_Yが生じるYYの位相はX^\widehat Xからの部分空間位相に一致する。

y∈Yy\in Yをとり、x=ι−1(y)x=\iota^{-1}(y)とおく。XXの局所コンパクト性と定義 1.2により、x∈U⊆Nx\in U\subseteq Nを満たすXXの開集合UUとコンパクト部分集合N⊆XN\subseteq Xが存在する。ι\iotaは同相写像であるから、§E2.12 命題 6.3によりι(U)\iota(U)はYYの開集合であり、§E2.19 定理 4.2によりι(N)\iota(N)はYYのコンパクト部分集合である。y∈ι(U)⊆ι(N)y\in\iota(U)\subseteq\iota(N)であるから、定義 1.2の条件はYYの各点で満たされる。したがってYYはX^\widehat Xの部分空間として局所コンパクトである。

(X^,d^)(\widehat X,\widehat d)は距離空間であるから、§E2.15 定理 3.2によりX^\widehat Xは Hausdorff である。YYはX^\widehat Xで稠密であり部分空間として局所コンパクトであるから、命題 4.1によりYYはX^\widehat Xの開集合である。§E2.10 系 5.4を完備距離空間(X^,d^)(\widehat X,\widehat d)とその開部分集合YYへ適用すると(Y,d^Y)(Y,\widehat d_Y)は完備距離化可能であり、§E2.10 定義 1.8により、d^Y\widehat d_Yと同値であって(Y,e′)(Y,e')を完備にするYYの上の距離e′e'が存在する。

e′e'はd^Y\widehat d_Yと同値であるから、§E2.10 定義 1.1によりe′e'が定めるYYの開集合の全体はd^Y\widehat d_Yが定めるものと一致し、e′e'はYYの位相を定める。ι\iotaとι−1\iota^{-1}はともに連続な全単射であるから、§E2.12 定義 6.1によりι−1 ⁣:Y→X\iota^{-1}\colon Y\to Xも同相写像である。§E2.12 命題 6.7を同相写像ι−1\iota^{-1}とYYの位相を定める距離e′e'に適用する。(ι−1)−1=ι(\iota^{-1})^{-1}=\iotaであるから、x,x′∈Xx,x'\in Xに対してe(x,x′)=e′(ι(x),ι(x′))e(x,x')=e'(\iota(x),\iota(x'))によって定まるeeはXXの上の距離であり、eeが定める位相はXXの位相に一致する。XXの位相はddが定めるものであるから、§E2.10 定義 1.1によりeeはddと同値である。

(xn)(x_n)を(X,e)(X,e)の Cauchy 列とすると、eeの定め方により(ι(xn))(\iota(x_n))は(Y,e′)(Y,e')の Cauchy 列である。(Y,e′)(Y,e')は完備であるから、(ι(xn))(\iota(x_n))はYYのある点yyへ収束する。e(xn,ι−1(y))=e′(ι(xn),y)e(x_n,\iota^{-1}(y))=e'(\iota(x_n),y)であり右辺は00に収束するから、(xn)(x_n)は(X,e)(X,e)においてι−1(y)\iota^{-1}(y)へ収束する。したがって(X,e)(X,e)は完備であり、§E2.10 定義 1.8により(X,d)(X,d)は完備距離化可能である。▨

5 例

例 5.1. 次の空間は局所コンパクトである。

  1. コンパクト空間では、空間全体が各点のコンパクトな近傍である。
  2. 離散空間では、各一点集合がコンパクトな開近傍である。したがって離散空間は局所コンパクト Hausdorff である(§E2.19 例 2.9、§E2.15 例 5.1)。
  3. Euclid 空間Rn\mathbb R^nは局所コンパクト Hausdorff である。Euclid 距離から生じる位相は Hausdorff である(§E2.15 定理 3.2)。各x∈Rnx\in\mathbb R^nとr>0r>0に対して閉球B‾(x,r)\overline B(x,r)はxxの近傍であり、§E2.2 補題 2.5により閉集合であり、有界であるから、§E2.9 定理 4.3によりコンパクトである。

定理 5.2.§E2.17 注意 4.1で定める順序数空間ω+1\omega+1、ω1\omega_1、ω1+1\omega_1+1は、いずれも局所コンパクトである。

証明.ω+1\omega+1とω1+1\omega_1+1は§E2.19 定理 7.2によりコンパクトであるから、空間全体が各点のコンパクトな近傍であり、定義 1.2により局所コンパクトである。

x∈ω1x\in\omega_1とする。[0,x][0,x]はω1\omega_1の始切片であるから凸であり、§E2.17 補題 3.14により、ω1\omega_1から[0,x][0,x]に入る部分空間位相は[0,x][0,x]の順序位相に一致する。したがって§E2.19 補題 7.1により[0,x][0,x]はω1\omega_1のコンパクト部分集合である。順序数ω1\omega_1は無限基数であるから、§E1.22 補題 3.1によりx+1<ω1x+1<\omega_1であり、[0,x]=[0,x+1)[0,x]=[0,x+1)はω1\omega_1の開集合である。よって[0,x][0,x]はxxのコンパクトな近傍であり、定義 1.2の条件はω1\omega_1の各点で満たされる。▨

例 5.3.Z≥0\mathbb Z_{\ge 0}に離散位相を入れる。例 5.1により、この空間は局所コンパクト Hausdorff である。また、無限離散空間はコンパクトでない(§E2.19 例 2.9)。したがって命題 2.2 (3)により一点コンパクト化αZ≥0\alpha\mathbb Z_{\ge 0}が存在する。

離散空間のコンパクト部分集合は有限集合である。実際、無限部分集合をその一点集合の族で覆うと有限部分被覆をもたない。したがって∞\inftyの開近傍は

{∞}∪(Z≥0∖F)\{\infty\}\cup(\mathbb Z_{\ge 0}\setminus F)

(FFは有限集合)の形である。任意の有限集合FFに対して、十分大きいnnはFFに属さない。したがって点列0,1,2,…0,1,2,\dotsはαZ≥0\alpha\mathbb Z_{\ge 0}で∞\inftyへ収束する。

定理 5.4.§E2.17 注意 4.1で定める順序数空間について、ω1+1\omega_1+1はω1\omega_1の一点コンパクト化であり、添加点は順序数ω1\omega_1である。

証明.§E2.17 注意 4.1により、ω1+1\omega_1+1からω1\omega_1に入る部分空間位相はω1\omega_1の順序位相に一致する。§E2.19 定理 7.2、§E2.17 系 4.4、定理 5.2により、ω1+1\omega_1+1はコンパクト Hausdorff、ω1\omega_1は局所コンパクト Hausdorff かつ非コンパクトであり、(ω1+1)∖ω1={ω1}(\omega_1+1)\setminus\omega_1=\{\omega_1\}である。§E2.22 例 7.2 (2)によりω1+1\omega_1+1はω1\omega_1のコンパクト化であるから、§E2.22 定義 1.1によりω1\omega_1はω1+1\omega_1+1で稠密である。

C⊆ω1C\subseteq\omega_1をコンパクトとする。包含写像の制限は§E2.12 定理 4.4により連続なので、§E2.19 定理 4.2と§E2.19 命題 6.4からCCはω1+1\omega_1+1で閉じる。さらにω1∉C\omega_1\notin Cであるから、(ω1+1)∖C(\omega_1+1)\setminus Cは添加点ω1\omega_1の開近傍である。逆にUUを点ω1\omega_1の近傍とする。§E2.11 定義 6.1により、ω1∈O⊆U\omega_1\in O\subseteq Uを満たすω1+1\omega_1+1の開集合OOが存在する。(ω1+1)∖O(\omega_1+1)\setminus Oはコンパクト空間ω1+1\omega_1+1の閉部分集合なので§E2.19 命題 4.1によりコンパクトであり、ω1∉(ω1+1)∖O\omega_1\notin(\omega_1+1)\setminus Oから(ω1+1)∖O⊆ω1(\omega_1+1)\setminus O\subseteq\omega_1である。したがってO=(ω1+1)∖((ω1+1)∖O)O=(\omega_1+1)\setminus\bigl((\omega_1+1)\setminus O\bigr)はUUに含まれる、ω1\omega_1のコンパクト部分集合の補集合の形をした開近傍である。この形の開近傍は点ω1\omega_1の近傍基をなし、一点コンパクト化位相を与える。▨

6 演習

問題 6.1.YYをコンパクト Hausdorff 空間、p∈Yp\in Yを孤立点でない点とし、X=Y∖{p}X=Y\setminus\{p\}に部分空間位相を入れる。YYがXXの一点コンパクト化であることを証明せよ。さらに、系 2.6を用いて、XXが非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間であることを導け。

解答.

§E2.15 定理 1.11 (4)と§E2.15 命題 1.5により{p}\{p\}はYYの閉集合であり、XXはYYの開部分空間である。ppは孤立点でないので、ppを含む任意の開集合はXXと交わる。§E2.11 命題 7.2によりp∈cl⁡Y(X)p\in\tpcl[Y]{X}であり、X⊆cl⁡Y(X)X\subseteq\tpcl[Y]{X}と合わせてcl⁡Y(X)=Y\tpcl[Y]{X}=Yを得る。

YYはコンパクト Hausdorff であり、Y∖X={p}Y\setminus X=\{p\}であるから、§E2.22 定義 1.1によりYYはXXの一点コンパクト化である。系 2.6により、XXは非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間である。▨

問題 6.2.命題 2.9の証明を完成させよ。

解答.

ZZの任意のコンパクト部分集合KKに対してf−1(K)f^{-1}(K)がコンパクトであると仮定する。O⊆αZO\subseteq\alpha Zを開集合とする。∞∉O\infty\notin Oならば、OOはZZの開集合であり、f‾−1(O)=f−1(O)\overline f^{-1}(O)=f^{-1}(O)はXXの開集合である。したがって、この逆像は定義 2.1で定めた第一の形である。∞∈O\infty\in Oならば、K=αZ∖OK=\alpha Z\setminus OはZZのコンパクト部分集合である。仮定によりf−1(K)f^{-1}(K)はXXのコンパクト部分集合であり、

f‾−1(O)=αX∖f−1(K)\overline f^{-1}(O)=\alpha X\setminus f^{-1}(K)

は第二の形である。よってf‾\overline fは連続である。

逆にf‾\overline fが連続であるとし、K⊆ZK\subseteq Zをコンパクトとする。O=αZ∖KO=\alpha Z\setminus KはαZ\alpha Zの開集合であり、∞∈O\infty\in Oである。連続性により

f‾−1(O)=αX∖f−1(K)\overline f^{-1}(O)=\alpha X\setminus f^{-1}(K)

はαX\alpha Xの開集合であり、∞\inftyを含む。定義 2.1で定めた第二の形から、f−1(K)f^{-1}(K)はXXのコンパクト部分集合である。▨

問題 6.3.命題 4.2の証明を完成させよ。

解答.

C=cl⁡Z(X)C=\tpcl[Z]{X}とおき、CCにはZZからの部分空間位相を入れる。§E2.15 定理 2.1 (3)によりCCは Hausdorff である。

X⊆C⊆ZX\subseteq C\subseteq Zであるから、§E2.12 系 4.5により、XXがCCから受ける部分空間位相はXXがZZから受ける部分空間位相に一致する。したがってXXはCCの部分空間として局所コンパクトである。また§E2.12 命題 4.7によりcl⁡C(X)=cl⁡Z(X)∩C=C\tpcl[C]{X}=\tpcl[Z]{X}\cap C=Cであるから、XXはCCで稠密である。

命題 4.1を Hausdorff 空間CCとその稠密な部分集合XXへ適用すると、XXはCCの開集合である。§E2.12 定義 4.1により、X=W∩CX=W\cap Cを満たすZZの開集合WWが存在する。▨

問題 6.4.系 1.11の証明を完成させよ。

解答.

系 1.10によりXXはcXcXの開集合であるから、cX∖XcX\setminus XはcXcXの閉集合である。§E2.22 定義 1.1によりcXcXはコンパクトであるから、§E2.19 命題 4.1によりcX∖XcX\setminus Xはコンパクトである。▨

参考文献

  1. 松坂和夫『集合・位相入門』新装版, 岩波書店, 2018.局所コンパクト性と一点コンパクト化の定義および証明を参考にした。
  2. James R. Munkres, Topology, 2nd ed., Prentice Hall, 2000.局所コンパクト Hausdorff 空間と一点コンパクト化の存在定理、および局所コンパクト Hausdorff 空間の完全正則性を参考にした。
  3. Stephen Willard, General Topology, Dover Publications, 2004, originally published 1970.コンパクト化の一般的な位置づけと規約差、および稠密な局所コンパクト部分空間が開であることを参考にした。

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