1 射影とファイバー
定義 1.1 (完全コンパクト化と点型コンパクト化).Xを T3½ 空間、cXをXのコンパクト化とする。
- すべてのs∈cXについてπc−1({s})が連結であるとき、cXをXの 完全コンパクト化 (perfect compactification) という。cXが完全コンパクト化であることを、cXは完全であるともいう。
- 剰余cX∖Xが点型空間であるとき、cXをXの 点型コンパクト化 (punctiform compactification) という。
系 1.3.Xを T3½ 空間、bX,cXをXの同値なコンパクト化とする。このとき、bXが完全であることとcXが完全であることは同値である。
証明.§E2.22 系 6.5によりRb=Rcであるから、πbとπcのファイバーの全体は一致する。したがって、πbのファイバーがすべて連結であることとπcのファイバーがすべて連結であることは同値である。▨
補題 1.4.Xを T3½ 空間、cXをXのコンパクト化とする。cX∖Xの各点sと、sを含むcXの任意の開集合Oに対して、s∈W⊆Oを満たしW∩Xが連結であるcXの開集合Wが存在するとする。このときcXは完全である。
証明.x∈Xについて、§E2.22 系 5.6によりπc−1({x})={x}であり、§E2.43 例 1.2によりこれは連結である。
s∈cX∖Xとし、F=πc−1({s})に分離(A,A′)が存在すると仮定する。cXは Hausdorff であるから{s}は閉集合であり、FはβXの閉集合である。A=F∖A′とA′=F∖AはFの閉集合であるから、§E2.12 命題 4.6によりβXの互いに素な閉集合である。§E2.19 定理 6.11により、A⊆U、A′⊆V、U∩V=∅を満たすβXの開集合U、Vが存在する。§E2.20 命題 1.2 (4)によりπcは閉写像であり、F⊆U∪Vであるから、§E2.12 定理 5.10 (3)によりs∈Oかつπc−1(O)⊆U∪Vを満たすcXの開集合Oが存在する。仮定により、s∈W⊆Oを満たしW∩Xが連結であるcXの開集合Wをとる。
πcはXのすべての点を固定するからπc−1(W)∩X=W∩Xであり、W∩X⊆πc−1(O)⊆U∪Vである。したがってW∩X∩UとW∩X∩VはW∩Xの互いに素な開集合であり、その和はW∩Xである。πc−1(W)∩Uは空でないAを含むβXの開集合であるから、§E2.11 命題 2.9 (2)によりXと交わり、その交わりの点はW∩X∩Uに属する。同様にW∩X∩Vは空でない。ゆえに(W∩X∩U,W∩X∩V)はW∩Xの分離であり、W∩Xが連結であることと両立しない。したがってFは連結であり、cXは完全である。▨
命題 1.5 (絶対値の延長による特徴づけ).Xを T3½ 空間、cXをXのコンパクト化とする。次の二条件は同値である。
- cXは完全である。
- 任意の連続関数f:X→Rについて、∣f∣がcX上の実数値連続関数へ延長するならば、fもcX上の実数値連続関数へ延長する。
証明.X=∅ならばcX=∅であり、両条件は成り立つ。以下、X=∅とする。
(1)⇒(2)を示す。g:cX→Rを∣f∣の連続な延長とする。§E2.19 定理 4.4によりgは有界であるから、fも有界である。f(X)⊆[−M,M]を満たす実数M>0をとり、§E2.22 定理 3.2による連続な延長F:βX→[−M,M]をとる。∣F∣とg∘πcはX上で一致するので、§E2.22 補題 2.1により
∣F∣=g∘πcである。各s∈cXについてF(πc−1({s}))は連結であり、{−g(s),g(s)}に含まれるから一点集合である。したがってFはπcの各ファイバー上で定数である。πcは閉な全射であるから商写像であり、§E2.12 定理 8.10によりF=fˉ∘πcを満たす連続関数fˉ:cX→Rが存在する。πcはXの各点を固定するからfˉ∣X=fである。
(2)⇒(1)を示す。あるs∈cXのファイバーK=πc−1({s})が連結でないと仮定し、その分離を(A,B)とする。AとBはβXの互いに素な閉集合であるから、§E2.19 定理 6.11により、A⊆U、B⊆V、U∩V=∅を満たすβXの開集合U,Vが存在する。§E2.12 定理 5.10 (3)により、s∈Oかつπc−1(O)⊆U∪Vを満たすcXの開集合Oがある。§E2.18 系 3.5により、h(s)=1、h∣cX∖O=0を満たす連続関数h:cX→[0,1]をとる。
H=h∘πcとおき、G:βX→[−1,1]を
G(z)=⎩⎨⎧H(z)−H(z)0(z∈πc−1(O)∩U),(z∈πc−1(O)∩V),(z∈/πc−1(O))で定める。πc−1(O)の中では、Gは互いに素な二つの開集合上でHまたは−Hに一致するから連続である。z∈/πc−1(O)ではH(z)=G(z)=0であり、∣G∣=Hであるから、任意のε>0に対してH−1([0,ε))は∣G∣<εとなるzの開近傍である。したがってGは全体で連続である。
f=G∣Xとすると∣f∣=h∣Xであるから、仮定によりfは連続関数fˉ:cX→Rに延長する。§E2.22 補題 2.1によりG=fˉ∘πcである。しかしGはA上で1、B上で−1をとる一方、fˉ∘πcはK上で定数であり、両立しない。ゆえにcXは完全である。▨
2 ファイバーの連結成分と連結集合の逆像
補題 2.1.K、Lをコンパクト Hausdorff 空間、f:K→Lを連続写像とする。u,v∈Kについて、f(u)=f(v)が成り立ち、かつuとvが部分空間f−1({f(u)})の同じ連結成分に属するとき、(u,v)∈Efと定める。このときEfはK上の同値関係であり、K×Kの閉集合である。
証明.§E2.43 定理 6.2 (3)により、各ファイバーf−1({y})の連結成分の全体はそのファイバーの分割であるから、Efは同値関係である。
(u,v)∈(K×K)∖Efをとる。f(u)=f(v)の場合、Lは Hausdorff であるから、f(u)∈G、f(v)∈H、G∩H=∅を満たすLの開集合G、Hが存在する。f−1(G)×f−1(H)は(u,v)を含むK×Kの開集合であり、その各点(u′,v′)はf(u′)=f(v′)を満たすから、Efと交わらない。
f(u)=f(v)の場合、y=f(u)、F=f−1({y})とおき、uとvを含むFの連結成分をそれぞれC、Dとする。(u,v)∈/EfであるからC=Dである。Lは Hausdorff であるから{y}は閉集合であり、FはKの閉集合である。したがって§E2.19 命題 4.1によりFはコンパクトであり、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff である。§E2.43 系 7.4により、C⊆HかつH∩D=∅を満たすFの開かつ閉な部分集合Hが存在する。
HとF∖HはFの閉集合でありFはKの閉集合であるから、§E2.12 命題 4.6によりKの互いに素な閉集合である。
§E2.19 定理 6.11により、H⊆U、F∖H⊆V、U∩V=∅を満たすKの開集合U、Vが存在する。§E2.20 命題 1.2 (4)によりfは閉写像であり、F⊆U∪Vであるから、§E2.12 定理 5.10 (3)によりy∈Wかつf−1(W)⊆U∪Vを満たすLの開集合Wが存在する。
N=(U∩f−1(W))×(V∩f−1(W))とおくと、u∈C⊆H⊆Uかつv∈D⊆F∖H⊆Vであるから、Nは(u,v)を含むK×Kの開集合である。(u′,v′)∈N∩Efが存在すると仮定し、u′とv′をともに含むf−1({f(u′)})の連結成分をC′とする。f(u′)∈WであるからC′⊆f−1(W)⊆U∪Vであり、C′∩UとC′∩VはC′の互いに素な開集合で、その和はC′であり、それぞれu′とv′を含むから、(C′∩U,C′∩V)はC′の分離である。一方、§E2.43 定理 6.2 (1)によりC′は連結であり、両立しない。ゆえにN∩Ef=∅である。
いずれの場合にも(u,v)は(K×K)∖Efに含まれる開集合をもつから、§E2.11 補題 2.6により(K×K)∖Efは開集合であり、Efは閉集合である。▨
補題 2.2.Y、Zを位相空間、f:Y→Zを連続な全射閉写像とし、すべてのz∈Zについてf−1({z})は連結であるとする。このときZの任意の連結部分集合Cについて、f−1(C)は連結である。
証明.A=f−1(C)とおき、fの制限g:A→Cをとる。§E2.12 補題 5.6 (1)と§E2.12 補題 5.6 (3)によりgは連続な閉写像であり、fが全射であるからgも全射である。Aに分離(P,Q)が存在すると仮定する。各z∈Cについて、f−1({z})∩Pとf−1({z})∩Qはf−1({z})の互いに素な開集合でその和はf−1({z})であるから、f−1({z})の連結性によりいずれか一方は空である。したがってP=g−1(g(P))、Q=g−1(g(Q))であり、g(P)∩g(Q)=∅である。P=A∖QとQ=A∖PはAの閉集合であるから、g(P)とg(Q)はCの閉集合であり、gの全射性によりg(P)∪g(Q)=Cである。ゆえにg(P)=C∖g(Q)とg(Q)=C∖g(P)はCの開集合であり、PとQが空でないことからいずれも空でない。(g(P),g(Q))はCの分離であり、Cが連結であることと両立しない。したがってAは連結である。▨
3 点型の完全コンパクト化
補題 3.1.Xを T3½ 空間とする。u,v∈βXについて、u=vであるか、またはuとvをともに含みβX∖Xに含まれるβXの部分連続体が存在するとき、(u,v)∈RXと定める。このときRXはβX上の同値関係であり、各x∈Xの同値類は{x}である。p∈βX∖Xの同値類は、pを含みβX∖Xに含まれるβXの部分連続体すべての和であり、連結である。
証明.RXが反射的かつ対称的であることは定義から従う。(u,v)∈RXかつ(v,w)∈RXとする。u=vまたはv=wならば(u,w)∈RXである。そうでなければ、βX∖Xに含まれる部分連続体K1∋u,vとK2∋v,wが存在する。K1∪K2は、§E2.43 命題 1.7により連結であり、§E2.19 補題 2.8によりコンパクトであり、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff であり、空でない。したがってK1∪K2はuとwを含みβX∖Xに含まれる部分連続体であり、(u,w)∈RXである。
βX∖Xに含まれる部分連続体はXの点を含まないから、x∈Xの同値類は{x}である。p∈βX∖Xについて、§E2.19 例 2.3と§E2.43 例 1.2により{p}はβX∖Xに含まれる部分連続体であるから、pの同値類はpを含みβX∖Xに含まれる部分連続体すべての和に等しい。この和は§E2.43 命題 1.7により連結である。▨
証明.§E2.22 命題 6.4 (3)により、各s∈cXについてπbがF=πc−1({s})の上で定数であることを示せばよい。s∈Xならば§E2.22 系 5.6によりF={s}である。s∈cX∖Xとする。§E2.22 系 3.5によりπcは全射であるからFは空でない。{s}はcXの閉集合であるからFはβXの閉集合であり、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。cXは完全であるからFは連結であり、§E2.22 系 5.3 (1)によりF⊆βX∖Xである。同じ主張をbXへ適用するとπb(βX∖X)⊆bX∖Xであるから、πb(F)はbX∖Xに含まれ、§E2.19 定理 4.2と§E2.43 定理 1.4により空でないコンパクトかつ連結な集合である。bX∖Xは点型空間であるから、πb(F)はただ一点からなる。▨
証明.(u,v)∈RXかつu=vとし、uとvを含みβX∖Xに含まれる部分連続体Kをとる。§E2.22 系 5.3 (1)によりπb(K)⊆bX∖Xであり、§E2.19 定理 4.2と§E2.43 定理 1.4によりπb(K)は空でないコンパクトかつ連結な集合であるから、bX∖Xが点型空間であることによりπb(K)は一点yからなる。Kはuを含むπb−1({y})の連結部分集合であるから、§E2.43 定理 6.2 (1)によりuを含むπb−1({y})の連結成分に含まれ、その成分はvを含む。ゆえに(u,v)∈Eπbである。
(u,v)∈Eπbかつu=vとし、y=πb(u)=πb(v)、F=πb−1({y})とおく。§E2.22 系 5.6によりu,v∈βX∖Xであり、y∈/Xであるから、§E2.22 系 5.3 (1)によりF⊆βX∖Xである。uとvを含むFの連結成分Cは、§E2.43 命題 6.3によりFの閉集合であり、FはβXの閉集合であるからCはβXの閉集合であってコンパクトである。Cは連結であり、空でなく、Hausdorff であるから、uとvを含みβX∖Xに含まれる部分連続体である。ゆえに(u,v)∈RXである。
RX=Eπbであるから、補題 2.1によりRXはβX×βXの閉集合である。▨
証明.βXの射影は恒等写像である。補題 3.1によりRXは同値関係であり、Xの点の同値類は一点集合であるから、§E2.22 命題 6.9をcX=βX、E=RXへ適用すると、mXはXのコンパクト化でありπm=qである。qのファイバーはRXの同値類であり、Xの点の同値類は一点集合であって、βX∖Xの点の同値類は補題 3.1により連結であるから、mXは完全である。
L⊆mX∖Xを空でないコンパクトかつ連結な部分集合とする。mXは Hausdorff であるからLは閉集合であり、q−1(L)はβXの閉集合であってコンパクトである。§E2.19 補題 6.18によりqは連続な全射閉写像であり、ファイバーはいずれも連結であるから、補題 2.2によりq−1(L)は連結である。§E2.22 系 5.3 (1)によりq−1(L)⊆q−1(mX∖X)=βX∖Xであり、q−1(L)はqの全射性により空でない。したがってq−1(L)はβX∖Xに含まれる部分連続体であり、その任意の二点u、vは(u,v)∈RX、すなわちq(u)=q(v)を満たす。ゆえにL=q(q−1(L))はただ一点からなり、mXは点型である。▨
補題 3.5.Xを T3½ 空間、mXをXのコンパクト化とし、Eπmを補題 2.1の同値関係(K=βX、L=mX、f=πm)とする。このときβX/EπmはXの完全コンパクト化であり、βX/Eπm≥mXを満たす。さらに、cX≥mXを満たすXの任意の完全コンパクト化cXについてcX≥βX/Eπmである。
証明.yX=βX/Eπmとおき、標準全射をq:βX→yXとする。補題 2.1によりEπmはβX×βXの閉集合である同値関係であり、§E2.22 系 5.6によりx∈Xについてπm−1({x})={x}であるから、xの同値類は{x}である。βXの射影は恒等写像であるから、§E2.22 命題 6.9をcX=βXへ適用すると、yXはXのコンパクト化であり、πy=qである。qのファイバーはπmのファイバーの連結成分であり、§E2.43 定理 6.2 (1)により連結であるから、yXは完全である。(u,v)∈Eπmならばπm(u)=πm(v)であるから、§E2.22 命題 6.4 (3)によりyX≥mXである。
cXをcX≥mXを満たす完全コンパクト化とし、u,v∈βXがπc(u)=πc(v)=sを満たすとする。§E2.22 命題 6.4 (3)によりπc−1({s})⊆πm−1({πm(u)})であり、πc−1({s})はuとvを含む連結集合であるから、§E2.43 定理 6.2 (1)によりuとvはπm−1({πm(u)})の同じ連結成分に属する。ゆえにq(u)=q(v)であり、§E2.22 命題 6.4 (3)によりcX≥yXである。▨
補題 3.6.Xを T3½ 空間、mXをXの完全コンパクト化、K⊆mX∖XをmXの部分連続体とする。s,t∈mXについて、s=tであるか、またはs,t∈Kであるとき(s,t)∈EKと定める。このときmX/EKはXの完全コンパクト化であり、mX≥mX/EKである。さらに、Xのすべての点を固定する連続写像mX→mX/EKはKを一点へ写す。
証明.EKが反射的かつ対称的であることは定義から従う。(s,t),(t,w)∈EKとすると、s=tまたはt=wならば(s,w)∈EKであり、そうでなければs,t,w∈Kであるから(s,w)∈EKである。ゆえにEKは推移的である。Δ={(s,s)∣s∈mX}は§E2.15 命題 2.11によりmX×mXの閉集合であり、Kは Hausdorff 空間mXのコンパクト部分集合であるから§E2.19 命題 6.4により閉集合であって、K×K=pr1−1(K)∩pr2−1(K)も閉集合である。ゆえにEK=Δ∪(K×K)は閉集合である。K∩X=∅であるから、x∈Xの同値類は{x}である。
q:mX→mX/EKを標準全射とする。§E2.22 命題 6.9により、mX/EKはXのコンパクト化であり、mX≥mX/EKであって、その射影はq∘πmである。§E2.22 命題 6.2によりXのすべての点を固定する連続写像mX→mX/EKはqだけであり、Kは空でない一つの同値類であるから、q(K)は一点である。EKの同値類はs∈mX∖Kについての{s}とKであるから、§E2.22 命題 6.9により、mX/EKの射影のファイバーはπm−1({s})(s∈mX∖K)とπm−1(K)である。前者はmXが完全であることにより連結である。§E2.22 系 3.5と§E2.20 命題 1.2 (4)によりπmは連続な全射閉写像であり、そのファイバーはいずれも連結であるから、補題 2.2により後者も連結である。ゆえにmX/EKは完全である。▨
証明.(1)⇒(2)は命題 3.3による。(2)⇒(5)は命題 3.4による。(5)⇒(1)は定義から従う。
(5)⇒(4)を示す。
mXを点型の完全コンパクト化とすると、命題 3.2により、任意の完全コンパクト化cXについてcX≥mXである。
(4)⇒(3)を示す。mXを(4)の完全コンパクト化とすると、[mX]は完全コンパクト化の同相類の全体の下界である。[bX]をこの全体の任意の下界とすると、mXは完全であるからmX≥bXである。ゆえに[mX]は下限である。
(3)⇒(5)を示す。完全コンパクト化の同相類の全体の下限を[mX]とし、yX=βX/Eπmを補題 3.5のコンパクト化とする。任意の完全コンパクト化cXはcX≥mXを満たすから、補題 3.5によりcX≥yXである。したがって[yX]は完全コンパクト化の同相類の全体の下界であり、[mX]が下限であることからmX≥yXである。補題 3.5によりyX≥mXでもあるから[yX]=[mX]であり、yXは完全であるから、系 1.3によりmXは完全である。
mX∖Xのコンパクトかつ連結な部分集合Kが相異なる二点a、bを含むと仮定する。Kは空でなく、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff であるから、mXの部分連続体である。補題 3.6により、mX/EKはmX≥mX/EKを満たす完全コンパクト化であり、Xのすべての点を固定する連続写像φ:mX→mX/EKはφ(a)=φ(b)を満たす。[mX]は完全コンパクト化の同相類の全体の下界であるからmX/EK≥mXであり、[mX]=[mX/EK]である。§E2.22 命題 6.3によりXのすべての点を固定する同相写像mX→mX/EKが存在し、§E2.22 命題 6.2の一意性によりそれはφに等しい。したがってφは単射であり、a=bとφ(a)=φ(b)は両立しない。ゆえにmX∖Xのコンパクトかつ連結な部分集合は高々一点からなり、mXは点型である。
条件が成り立つとする。(1)は、(2)と命題 3.4による。(2)の前半は命題 3.2によるものであり、後半は(4)⇒(3)の証明による。(3)は、点型の完全コンパクト化mX、m′Xに命題 3.2を両向きに適用して得られる。▨
命題 3.8.Xを T3½ 空間とし、剰余bX∖Xが完全不連結であるXのコンパクト化bXが存在するとする。このときXは点型の完全コンパクト化mXをもち、mX≥bXであって、剰余mX∖Xは完全不連結である。
証明.§E2.45 命題 2.10によりbXは点型コンパクト化であるから、定理 3.7によりXは点型の完全コンパクト化mXをもち、命題 3.2によりmX≥bXである。Xのすべての点を固定する連続写像φ:mX→bXをとる。§E2.22 命題 6.4 (3)によりπb=φ∘πmである。w∈mX∖Xとすると、§E2.22 系 5.3 (2)によりw=πm(u)を満たすu∈βX∖Xが存在し、§E2.22 系 5.3 (1)によりφ(w)=πb(u)∈bX∖Xである。
CをmX∖Xの空でない連結部分集合とする。§E2.43 定理 1.4によりφ(C)はbX∖Xの連結部分集合であるから、§E2.45 命題 2.3によりただ一点yからなる。φはXのすべての点を固定しy∈/Xであるから、φ−1({y})⊆mX∖Xであり、φ−1({y})はCを含む閉集合である。したがってclmX(C)⊆φ−1({y})⊆mX∖Xであり、clmX(C)は§E2.43 命題 1.6により連結であり、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。mXは点型であるからclmX(C)は高々一点からなり、Cも高々一点からなる。§E2.45 命題 2.3によりmX∖Xは完全不連結である。▨
命題 3.9 (0 次元剰余の保存).Xを T3½ 空間とし、剰余bX∖Xが 0 次元であるXのコンパクト化bXが存在するとする。このときXは点型の完全コンパクト化mXをもち、mX≥bXであって、剰余mX∖Xは 0 次元である。
証明.bX∖Xは Hausdorff であるから、§E2.45 命題 2.11 (3)により完全不連結である。命題 3.8により、剰余が完全不連結である点型の完全コンパクト化mX≥bXが存在する。Xの各点を固定する連続写像φ:mX→bXをとる。πb=φ∘πmと剰余の射影対応から
φ−1(bX∖X)=mX∖Xであり、φは全射閉写像である。
R=mX∖X、S=bX∖Xとおき、p∈Rとpを含むRの開集合Oをとる。y=φ(p)∈Sとし、K=φ−1({y})とおく。KはRに含まれる非空コンパクト Hausdorff 空間であり、Rの完全不連結性を遺伝するから、§E2.45 定理 3.1により開かつ閉な集合の開基をもつ。したがってp∈H⊆K∩Oを満たすKの開かつ閉な部分集合Hが存在する。
O=O′∩Rを満たすmXの開集合O′をとる。Hと(K∖H)∪(mX∖O′)は互いに素な閉集合であるから、mXの正規性により、H⊆U、(K∖H)∪(mX∖O′)⊆V、U∩V=∅を満たすmXの開集合U,Vがある。特にU⊆O′であり、K⊆U∪Vである。
§E2.12 定理 5.10 (3)により、y∈Wかつφ−1(W)⊆U∪Vを満たすbXの開集合Wをとる。Sは 0 次元であるから、y∈D⊆W∩Sを満たすSの開かつ閉な集合Dがある。φ∣Rは連続であるからT=φ−1(D)はRの開かつ閉な集合であり、T⊆U∪Vである。したがってT∩UはRの開集合であり、その補集合は
R∖(T∩U)=(R∖T)∪(T∩V)と書かれるので開集合でもある。p∈T∩U⊆Oであるから、Rは開かつ閉な集合の開基をもつ。Sは非空でありφ∣Rは全射であるからRも非空である。ゆえにRは 0 次元である。▨
4 Freudenthal のコンパクト化
証明.§E2.24 命題 2.2 (4)によりXは T3½ 空間であり、§E2.24 命題 2.2 (3)により一点コンパクト化αXはXのコンパクト化である。剰余αX∖X={∞}は一点集合であるから点型空間であり、αXは点型コンパクト化である。定理 3.7により、Xは点型の完全コンパクト化をもち、それらは互いに同値である。
命題 3.3によりRX=Eπαであり、πα−1({∞})=βX∖Xであるから、剰余の点のRXに関する同値類はβX∖Xの連結成分である。
定理 3.7 (1)と定理 3.7 (3)により[mX]=[βX/RX]であるから、πmのファイバーはRXの同値類に一致する。剰余の射影対応により、βX∖Xの各同値類はmX∖Xの一点の上のファイバーであり、逆に剰余点の上の各ファイバーはそのような同値類である。したがって求める二つの族は一致する。▨
定義 4.2 (Freudenthal のコンパクト化).Xを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。Xの点型の完全コンパクト化を、Xの Freudenthal のコンパクト化 (Freudenthal compactification) といい、εXと書く。系 4.1により、εXは存在し、同値なものを除いてただ一つに定まる。
命題 4.3.Xを非コンパクトな局所コンパクト Hausdorff 空間とする。
- 剰余εX∖Xは完全不連結である。
- 剰余bX∖Xが完全不連結であるXの任意のコンパクト化bXについて、εX≥bXである。
- εX≥αXである。[εX]=[αX]であるための必要十分条件は、βX∖Xが連結であることである。
証明.(1)を示す。§E2.24 系 1.11によりεX∖Xはコンパクトであり、§E2.15 定理 2.1 (3)により Hausdorff である。w∈εX∖Xの連結成分C(w)は、§E2.43 命題 6.3によりεX∖Xの閉集合であるから§E2.19 命題 4.1によりコンパクトであり、§E2.43 定理 6.2 (1)により連結である。εXは点型であるからC(w)={w}であり、εX∖Xは完全不連結である。
(2)を示す。§E2.45 命題 2.10によりbXは点型コンパクト化であり、εXは完全であるから、命題 3.2によりεX≥bXである。
(3)を示す。§E2.24 命題 3.1によりεX≥αXである。αXの射影のファイバーは、§E2.22 系 5.6によりx∈Xについて{x}であり、§E2.22 系 5.3 (1)により∞の上でβX∖Xである。βX∖Xが連結であるとすると、αXは完全であり、剰余が一点であるから点型でもあるので、定理 3.7 (3)により[εX]=[αX]である。逆に[εX]=[αX]ならば、系 1.3によりαXは完全であり、そのファイバーβX∖Xは連結である。▨
例 4.4.K=[−∞,∞]を§E2.22 例 7.6のRのコンパクト化とする。このとき[εR]=[K]であり、βR∖Rはちょうど二つの連結成分をもつ。
証明.§E2.24 例 5.1 (3)によりRは局所コンパクト Hausdorff 空間であり、§E2.19 例 2.9 (4)によりコンパクトでない。剰余K∖R={−∞,∞}において{∞}=(0,∞]∩{−∞,∞}と{−∞}=[−∞,0)∩{−∞,∞}はともに開集合であるから、剰余の連結部分集合は高々一点からなり、Kは点型コンパクト化である。
Oを∞を含むKの開集合とする。§E2.17 命題 1.7により、(a,∞]⊆Oを満たすa∈Kでa<∞であるものが存在し、必要ならばaをより大きい実数に取り替えてa∈Rとすることができる。W=(a,∞]は∞∈W⊆Oを満たすKの開集合であり、W∩R=(a,∞)は区間であるから、§E2.43 定理 2.2により連結である。−∞を含むKの開集合Oについても、§E2.17 命題 1.7により[−∞,a)⊆Oを満たすa∈Rが存在し、W=[−∞,a)についてW∩R=(−∞,a)は区間であるから連結である。補題 1.4によりKは完全である。
Kは点型の完全コンパクト化であるから、定義 4.2により[εR]=[K]である。系 4.1により、βR∖Rの連結成分の全体は{πK−1({s})∣s∈K∖R}に一致する。πKは全射であるから、二つのファイバーπK−1({−∞})、πK−1({∞})は空でなく互いに素であり、βR∖Rの連結成分はちょうど二つである。▨
補題 4.5.n∈N≥1とし、R2に Euclid 距離を入れる。このときR2∖[−n,n]2は連結である。
例 4.6.R2に Euclid 距離を入れる。このとき[εR2]=[αR2]であり、βR2∖R2は連結である。
証明.§E2.24 例 5.1 (3)によりR2は局所コンパクト Hausdorff 空間であり、R2は有界でないから§E2.9 定理 4.3によりコンパクトでない。Oを∞を含むαR2の開集合とする。§E2.24 定義 2.1によりO=αR2∖Cを満たすコンパクト部分集合C⊆R2が存在する。開集合の族((−k,k)2)k∈N≥1はCを覆うから、Cのコンパクト性により有限部分被覆が存在し、その添字の最大値をnとすると、族がkについて増大することからC⊆(−n,n)2である。§E2.9 定理 4.3により[−n,n]2はコンパクトであるから、W=αR2∖[−n,n]2は∞∈W⊆Oを満たすαR2の開集合であり、補題 4.5によりW∩R2=R2∖[−n,n]2は連結である。
補題 1.4によりαR2は完全である。剰余は一点であるからαR2は点型でもあり、定義 4.2により[εR2]=[αR2]である。命題 4.3 (3)によりβR2∖R2は連結である。▨
例 4.7.Xを無限離散空間とする。このとき[εX]=[βX]である。
証明.Xは局所コンパクト Hausdorff 空間であり、無限離散空間であるからコンパクトでない。βXから自身への射影は恒等写像であるから、βXは完全である。
§E2.22 命題 4.4 (1)と§E2.22 命題 4.4 (2)によりβXは開かつ閉な集合の開基をもつ。したがってβXは 0 次元の Hausdorff 空間であり、§E2.45 命題 2.11 (3)により完全不連結である。その剰余も完全不連結であって点型であるから、βXは点型の完全コンパクト化である。ゆえに[εX]=[βX]である。▨
5 点型剰余と完全不連結剰余の差
補題 5.1.S=(0,1)×(0,1)とし、BをSの Bernstein 集合とする。c=(c1,c2)∈R2と実数ℓ>0についてD=(c1,c1+ℓ)×(c2,c2+ℓ)⊆Sとする。このときD∖Bは連結である。
証明.h:D→Sをh(z)=((z1−c1)/ℓ,(z2−c2)/ℓ)で定める。hは全単射であり、hとその逆写像w↦(c1+ℓw1,c2+ℓw2)はいずれも連続であるから、hは同相写像である。B′=h(D∩B)とおく。
FをSの非可算な閉集合とし、k∈N≥1、k≥3についてQk=[1/k,1−1/k]2、Fk=F∩Qkとおく。Sの各点の二つの座標はいずれも開区間(0,1)に属するから、§D1.4 系 2.2によりF=⋃k≥3Fkである。すべてのFkが高々可算であるとすると、§E1.18 定理 6.3によりFは高々可算であり、仮定に反する。ゆえに非可算なFkが存在する。§E2.9 定理 4.3によりQkはコンパクトであり、FkはQkの閉集合であるから、§E2.19 命題 4.1によりFkはコンパクトである。したがってG=h−1(Fk)は§E2.19 定理 4.2によりコンパクトであり、§E2.19 命題 6.4により Hausdorff 空間Sの閉集合であり、hが全単射であることから非可算である。
Bernstein 集合の定義により、z∈G∩Bとz′∈G∖Bが存在する。z∈D∩Bであるからh(z)∈F∩B′である。z′∈D∖Bでありhは単射であるからh(z′)∈/B′であって、h(z′)∈F∖B′である。ゆえにB′はSの Bernstein 集合である。
§E2.45 命題 7.6によりS∖B′は連結である。hは全単射であるからS∖B′=h(D∖B)であり、§E2.43 定理 1.4によりD∖B=h−1(S∖B′)は連結である。▨
例 5.2 (完全不連結な剰余をもつコンパクト化が存在しない例).S=(0,1)×(0,1)とし、BをSの Bernstein 集合として、X=[0,1]2∖Bとおく。このとき[0,1]2はXの点型の完全コンパクト化である。また、Xは、剰余が完全不連結であるコンパクト化をもたない。
証明.K=[0,1]2はコンパクト Hausdorff 空間である。UをKの空でない開集合とし、z∈Uをとる。(1−t)z+t(1/2,1/2)はt>0が十分小さいときU∩Sに属するから、U∩Sは空でない。正の長さの閉区間I1,I2でI1×I2⊆U∩Sを満たすものをとる。この長方形は非可算であり、Sの閉集合であるから、Bernstein 集合の定義により(I1×I2)∖B=∅である。ゆえにU∩X=∅であり、XはKで稠密である。したがってKはXのコンパクト化であり、Xは T3½ 空間である。剰余K∖X=Bは§E2.45 命題 7.6により点型である。
b∈Bとし、Oをbを含む[0,1]2の開集合とする。SはR2の開集合であるから、O∩Sはbを含むR2の開集合であり、§E2.14 例 1.16により、bを中心とする開正方形D=(b1−ℓ/2,b1+ℓ/2)×(b2−ℓ/2,b2+ℓ/2)でD⊆O∩Sを満たすもの(ℓ>0)が存在する。Dはb∈D⊆Oを満たす[0,1]2の開集合であり、補題 5.1によりD∩X=D∖Bは連結である。補題 1.4により[0,1]2は完全である。
剰余が完全不連結であるXのコンパクト化bXが存在すると仮定する。命題 3.8により、剰余mX∖Xが完全不連結である点型の完全コンパクト化mXが存在する。定理 3.7 (3)により[mX]=[[0,1]2]であり、§E2.22 命題 6.3によりXのすべての点を固定する同相写像h:mX→[0,1]2が存在する。hは全単射でh(X)=Xであるからh(mX∖X)=Bであり、Bは完全不連結な空間mX∖Xと同相であるから完全不連結である。一方、§E2.45 命題 7.6によりBは完全不連結でない。この二つは両立しないので、Xは剰余が完全不連結であるコンパクト化をもたない。▨
6 正規空間と連続体の積
証明.Zはコンパクト Hausdorff であるから T3½ であり、Xも T3½ である。§E2.20 命題 4.5によりpは固有閉写像であるから、§E2.22 定理 5.2により(βp)−1(Y)=Xである。βp(βX)はp(X)=Yを含むので、§E2.19 系 6.5によりβpは全射である。したがってKyは空でない閉集合であり、y∈/YからKy⊆βX∖Xである。
ζ∈Zに対してLζ=clβX(Y×{ζ})とおく。Lζはコンパクトであり、βp(Lζ)はYを含むからβYに等しい。βp(w)=yを満たすw∈Lζについて、§E2.12 命題 1.7 (2)によりt~(w)∈clZ({ζ})={ζ}である。ゆえにt~(Ky)=Zである。
Kyに分離(A,A′)が存在すると仮定する。A,A′はβXの互いに素な閉集合であるから、§E2.18 系 3.5により、A上で0、A′上で1をとる連続関数g:βX→[0,1]をとる。g−1([1/3,2/3])はKyと交わらない閉集合であるから、§E2.12 定理 5.10 (3)により、y∈Wかつ(βp)−1(W)∩g−1([1/3,2/3])=∅を満たすβYの開集合Wがある。βYの正則性により、y∈W0かつclβY(W0)⊆Wを満たす開集合W0をとる。
r∈W∩YについてJr={r}×Zとおく。Jrは連結であり、g(Jr)は[1/3,2/3]を避ける連結な実数の部分集合であるから、[0,1/3)または(2/3,1]の一方に含まれる。ζ0∈Zを固定し、
N={r∈Y∩clβY(W0)∣g(r,ζ0)≤1/3},P={r∈Y∩clβY(W0)∣g(r,ζ0)≥2/3}とおく。N,PはYの互いに素な閉集合である。Yの正規性と§E2.18 系 3.5により、N上で0、P上で1をとる連続関数k:Y→[0,1]をとる。f=k∘pとし、f,kの連続な延長をf~,k~と書くと、稠密なX上の一致から
f~=k~∘βpであり、f~はKy上で定数である。
a∈Aと、aの任意のβX開近傍Oをとる。O∩g−1([0,1/3))∩(βp)−1(W0)はaを含む開集合であるから、稠密なXの点(r,ζ)を含む。r∈W0∩Yかつg(r,ζ)<1/3であるから、g(Jr)⊆[0,1/3)であり、r∈Nである。したがってf(r,ζ)=0であり、a∈clβX(f−1({0}))である。連続性によりf~(a)=0となる。同様にg−1((2/3,1])を用いると、任意のa′∈A′についてf~(a′)=1を得る。これはf~がKy上で定数であることと両立しない。ゆえにKyは連結であり、(1)が成り立つ。
(2)を示す。Ylc=∅とする。(r,ζ)∈Xがコンパクト近傍N0をもてば、(r,ζ)∈G×H⊆N0を満たす積開集合をとることができる。p(N0)はrのコンパクト近傍となるから、仮定と両立しない。したがってXlc=∅である。
Xの点型コンパクト化bXが存在すると仮定する。各KyはβX∖Xの部分連続体であるから、その像πb(Ky)は点型剰余bX∖X内の一点集合である。相異なるζ,ζ′∈Zとr0∈Yをとり、x=(r0,ζ)、U=t~−1(Z∖{ζ′})とおく。πb−1({x})={x}⊆Uであるから、πbの閉性と§E2.12 定理 5.10 (3)により、x∈Oかつπb−1(O)⊆Uを満たすbXの開集合Oがある。
§E2.24 補題 1.9によりintbX(X)=Xlc=∅であるから、z∈O∖Xが存在する。πb(w)=zを満たすw∈βX∖Xをとると、(βp)−1(Y)=Xによりy′=βp(w)∈βY∖Yである。πb(Ky′)はzを含む一点集合であるから、Ky′⊆πb−1(O)⊆Uである。しかしt~(Ky′)=Zはζ′を含み、Uの定義と両立しない。ゆえにXは点型コンパクト化をもたない。▨
補題 6.2.X=Q×[0,1]とし、p:X→Qとt:X→[0,1]を射影とする。βp:βX→βQを§E2.22 命題 3.1の写像とし、t~:βX→[0,1]を§E2.22 定理 3.2によるtの連続な延長とする。y∈βQ∖QについてKy=(βp)−1({y})とおく。このとき次が成り立つ。
- (βp)−1(Q)=Xであり、各y∈βQ∖QについてKyはβX∖Xに含まれる空でない閉集合である。
- 各y∈βQ∖Qについてt~(Ky)=[0,1]である。
- 各y∈βQ∖QについてKyは連結である。
証明.Qは距離空間であるから正規 T3½ 空間であり、[0,1]は二点以上をもつ連続体である。命題 6.1 (1)をY=Q、Z=[0,1]に適用する。▨
補題 6.3.X=Q×[0,1]についてXlc=∅である。
証明.r∈Qがコンパクト近傍Nをもつとすると、§E2.19 定理 5.3によりN×[0,1]は(r,0)のコンパクト近傍である。これは補題 6.3と両立しない。したがってQlc=∅である。命題 6.1 (2)をY=Q、Z=[0,1]に適用すると、Xは点型コンパクト化をもたない。
定理 3.7の定理 3.7 (1)⇔(3)により、Xの完全コンパクト化の同相類の全体は下限をもたない。▨
7 演習
解答.
H1={z∈R2∣z1>n}、H2={z∈R2∣z2>n}、H3={z∈R2∣z1<−n}、H4={z∈R2∣z2<−n}とおく。z∈/[−n,n]2であることは∣z1∣>nまたは∣z2∣>nであることと同値であるから、R2∖[−n,n]2=H1∪H2∪H3∪H4である。a,b∈Hjについて、γ(λ)=(1−λ)a+λbで定まるγ:[0,1]→R2は、各成分がλの一次関数であるから§E2.14 定理 1.6と§E2.14 例 1.16により連続であり、Hjを定める一次不等式はγ(λ)についても成り立つからγ([0,1])⊆Hjである。したがってHjは弧状連結であり、§E2.43 命題 4.2により連結である。(n+1,n+1)∈H1∩H2であるから§E2.43 命題 1.7によりH1∪H2は連結であり、同様に(−n−1,−n−1)∈H3∩H4からH3∪H4は連結である。(n+1,−n−1)∈H1∩H4であるから、ふたたび§E2.43 命題 1.7により(H1∪H2)∪(H3∪H4)=R2∖[−n,n]2は連結である。▨
解答.
(r,σ)∈Xがコンパクト近傍をもつと仮定し、(r,σ)∈U⊆Nを満たすXの開集合Uとコンパクト部分集合Nをとる。XはR2の部分空間であるから、§E2.14 例 1.16により、(r,σ)を中心とし一辺の長さが4δである開正方形とXの共通部分がUに含まれるようなδ>0が存在し、M=([r−δ,r+δ]∩Q)×{σ}⊆Uである。MはR2の閉集合[r−δ,r+δ]×{σ}とXの共通部分であるからXの閉集合であり、Nの閉集合でもあるから、§E2.19 命題 4.1によりコンパクトである。第一射影は連続であるから、§E2.19 定理 4.2によりL=[r−δ,r+δ]∩QはRのコンパクト部分集合であり、§E2.19 命題 6.4によりRの閉集合である。§D1.4 補題 2.3によりr<θ<r+δを満たす無理数θが存在する。θを含む任意の開区間(θ−η,θ+η)(0<η<min{θ−r,r+δ−θ})は、§D1.4 系 2.2による有理数の稠密性によりLの点を含むから、§E2.11 命題 7.2 (2)によりθ∈L=L⊆Qであり、θが無理数であることと両立しない。ゆえにXのどの点もコンパクト近傍をもたず、Xlc=∅である。▨
問題 7.3.YをIndY=0を満たす空でない T1 空間で、Ylc=∅を満たすものとし、Zを二点以上をもつ連続体とする。このときY×Zは点型コンパクト化をもたないことを示せ。
解答.
§E2.45 命題 1.4 (1)によりYは正規である。§E2.45 命題 1.4 (2)によりYは 0 次元であり、T1 空間であるから、§E2.45 命題 2.11 (2)により T3½ 空間である。したがって命題 6.1 (2)を適用すると、Y×Zは点型コンパクト化をもたない。▨